2007 Fiscal Year Annual Research Report
虚弱高齢者に対する介護職員による運動トレーニング方法の開発とその実践
Project/Area Number |
19700570
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Research Institution | Gumma Paz College |
Principal Investigator |
加藤 仁志 Gumma Paz College, 保健科学部, 助手 (90406356)
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Keywords | 高齢者 / トレーニング / 介入研究 / 介護識員 |
Research Abstract |
本研究の目的は,運動に関わる専門家に教育を受けた介護職員が中心となり,高齢者の運動器機能向上のためのトレーニングを実施することが可能になるマニュアルの作成,およびその効果検証を行うことである.平成19年度は,高齢者の運動器機能向上のためのトレーニング方法選定のために,バランス機能向上に資する適度な刺激があり,運動実行可能性が高いトレーニング内容を筋電図学的に検討した. 検討するトレーニング内容はタンデム歩行,サイドステップ,クロスサイドステップ,後ろ歩行,つま先歩行,かかと歩行とした.筋電図学的解析対象の筋は内側広筋,大腿二頭筋,前脛骨筋,腓腹筋(全て両側)とした.研究対象は,健常成人男性10名であった(20.6±1.1歳).解析対象筋の最大随意収縮(MVC)のRMS値を100%として,それぞれのトレーニング方法実施時の筋収縮の割合(%MVC)を算出した. その結果,大腿二頭筋,腓腹筋は100%MVCを超えて筋活動が起こっている傾向があり,前脛骨筋,内側広筋では筋活動が低い傾向が認められた.大腿二頭筋,腓腹筋は抗重力筋であるため,立位でのバランス・歩行トレーニングにおいて筋活動が高くなっていると考えられる.バランストレーニングのみの実施では,内側広筋,前脛骨筋の筋力が向上するだけの筋収縮が得られない可能性が示された.したがって,トレーニング方法としては内側広筋,前脛骨筋の筋力向上トレーニングとバランス・歩行トレーニングの併用が高齢者の運動器機能向上のために効果的であることが考えられた.
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