2008 Fiscal Year Annual Research Report
2色2レーザー照射による三次元金属ナノ粒子アレイ作成技術の研究
Project/Area Number |
19710094
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂本 雅典 Osaka University, 産業科学研究所, 特任助教 (60419463)
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Keywords | 金属ナノ粒子 / 三次元加工 / 2色2レーザー / ソフトマテリアル |
Research Abstract |
本年度は前年度から継続して2波長2レーザーを用いた三次元配線技術の研究を行った。この技術は、前駆体および金属イオンを含む媒体に波長の異なる2つのレーザーを照射し、レーザーの交点に励起ラジカル等の反応活性種を生成させることによって金属イオンを還元して金属ナノ粒子を作成するというものである。交点を動かすことによって自在に金属ナノ粒子アレイを作成することができるため、三次元配線技術として応用できる。 今年度は、前年度までの研究で得られた基礎データを生かして2波長2レーザー導入加工装置を開発し、実際にポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリルレート等の樹脂中において三次元的に金属ナノ粒子を作成することに成功した。2波長2レーザーの照射により媒体中に自在に金属ナノ粒子を作成することができることを確認した他、レーザー強度を調整することにより、樹脂中に空孔やトンネルを作成することができることを発見した。一連の研究成果から、2波長2レーザーを用いることにより、従来法では困難であった様々な光加工が可能となることが示された。 これらの成果は、国内では読売、日経、朝日、日刊工業等の新聞各紙で取り上げられるなどの大きな反響をよんだ。同時に国際的な企業コンサルタント会社であるFrost & Sullivanで注目の最新技術として取り上げられ、産業的な見地からも価値のある技術であることが示された。また、米国の学会誌であるMRS Bulletinや、Nature Publishing Groupにより運営されるインターネット上の論文紹介サイトであるNPG Asia Material等で紹介される等、学術的にも高く評価された。
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