2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730398
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
奥村 隆志 The Institute for Science of Labour, 研究部, 研究員 (20373201)
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Keywords | 社会心理学 / 産業・組織 / 安全文化 / 共分散構造分析 |
Research Abstract |
安全文化構成モデルの妥当性を検討するためには、SCAT結果の4分類の該当組織を対象とし、層毎に面接調査することで別々に意見を聴取した。進め方として、対象組織のSCATの結果および構成モデルを提示した上で、他の組織の結果と比較して特徴のある箇所について聴取した(研究の目的、方法)。 評定値得点、共有性得点が低い組織の構成モデルの特徴ま、下流側にある「対応」に有効なパスが存在したのは「方針」のみであり、組級が従業員の行動を規定する「構造」や内発的動機に基づく行動である「機能」からの有効なパスが存在しない点であった。つまり、最終的に従業員が判断に迫られた際に、安全に関する安全活動や教育訓練、コミュニケーションは大きく影響しないことを意味する。聴取した結果、様々な取り組みが計画されているが、取組項目が膨大で、かつ各取組の実行主体者が明確でなく、さらに計画者である上位機関がメタ管理機能を果たしていない状況であった。結果、多くの取り組みが形骸化し、これらのヒアリング内容は構成モデル結果と一致が認められた。一方、評定値得点、共有性得点が高い組織の構成モデルの特徴は全てのパスが存在し、かつパス係数も高かった。つまり、組織の安全に関する方針が活動、教育訓練、コミュニケーションに影響し、それが最終的に従業員の判断・行動に影響しているという結果であり、ヒアリング結果でもこの関係がうまく機能していることが確認された。 以上より、評定値得点、共有性得点が低い組織の構成モデルは有効なパスが少なく、評定値得点、共有性得点が高い組織の構成モデルは有効なパスが多く、かつパス計数が高い事が確認された(結果および考察)。
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Research Products
(3 results)