2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730542
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
加納 暁子 Nagasaki University, 教育学部, 准教授 (40404230)
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Keywords | 遠隔教育 / 器楽指導 / ヴァイオリン |
Research Abstract |
本研究は、ネットワークを介した弦楽器の実技指導を行い、遠隔教育における器楽指導の可能性と限界について明らかにることを目的とした。 平成19年度は、大学内の2地点を学内LANで結び、大学生を被験者としながら、初歩的なヴァイオリンの指導を行った。その結果、力加減の指導が難しいこと、画像からは見えにくい手の裏側などをアップにして映し出す必要性があるという課題が得られたものの、所要時間は1時間23分で、実験としては成功した。 平成20年度は、実際、遠隔地において被験者に子供を選んで、同様の実験を行った。協力を得られたのは、沖縄県の中1女子と小1女子であり、回線の種類は大学側は学内LAN、沖縄側はADSLを用いた。中1はピアノ学習歴が長く、音名の知識もあるため、大学生より早い48分で課題を達成することができた。一方、小1は音楽学習歴もなく、年齢が下がると理解力や集中力も劣るため、同様の課題である「キラキラ星」全12小節のうちの2小節を、1回目は74分 2回目は55分かかって達成した。1回目は曲として成立しなかったため、指導法を指示する方法から、指導者を真似て「一緒に弾く」方法に切り替えた。すると2回目は1回目よりも、少し改善され演奏できるようになった。 研究の結果、遠隔教育における器楽指導は、映像をアップにしたり、一緒に弾く方法を採用して指導法を工夫することによつで、可能になることが明らかとなった。本研究の意義として、離島においても遠隔による器楽指導の実用化を図ることによって、弦楽器の指導者、演奏者のいない地域においても、指導が可能になり、弦楽器の普及に寄与することができるといえる。
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