2007 Fiscal Year Annual Research Report
教師用検定教科書における岡山秀吉の手工科教育論の普及と変質
Project/Area Number |
19730544
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
平舘 善明 Shibaura Institute of Technology, 工学部, 講師 (10439292)
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Keywords | 手工科 / 岡山秀吉 / 検定教科書 / 技術教育 |
Research Abstract |
初等教育におけるキャリア教育への示唆を得るために、本研究では、戦前日本において普通教育としての技術教育の教科指導として位置づいていた手工科を対象としている。手工科に関する先行研究は、導入期に関するものが比較的多く存在するものの、その後の研究は、導入期が否定的な内容とした捉えられているが故に、手薄になっている。こうした研究状況を鑑み、これまで、導入期以後の手工科の発展を担った第一人者と目されていながら、ほとんど研究がなされていなかった岡山秀吉の手工科教育論の特質と意義を解明してきた。そこで、本研究では、手工科教師用の検定教科書を、復原による教材解釈の手法を用いて、同時代のアメリカン・スロイド等との内容比較を含めて分析することによって、岡山秀吉の手工科教育論の小学校現場への普及およびその変質を解明することを試みている。 今年度は、7種類の小学校教師用の手工科検定教科書(便宜上、ここでは文部省著作教科書も含める)のうち、岡山秀吉が執筆に携わった、(1)文部省編纂『小学校教師用手工教科書』(1904年)と、(2)『小学校に於ける手工教授の理論及実際』(1908年)の2種類の教科書を対象として、復原による教材解釈をおこなってきた。とりわけ(2)の教科書において、作製手順がほとんど記載されていないことの影響もあり、予定していた教材をすべて復原するには若干至らなかった。引き続き、作業を進める予定である。 また、上記の作業と並行して、そこで明らかになった内容とこれまでの研究成果を加味して、日本教育学会において研究発表をおこなった。研究の新規性に対する高評価と建設的な意見を得た。
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Research Products
(1 results)