2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760276
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
廿日出 好 Toyohashi University of Technology, 工学部, 助教 (90339713)
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Keywords | SQUID / 水素燃料タンク / 電磁的非破壊検査 / 亀裂欠陥検出 / ロボット / 自動検査 / モバイル / 磁気センサ |
Research Abstract |
本研究では、従来の渦電流や超音波などを用いた検査技術の適用が困難な、燃料電池用水素燃料タンクの欠陥検出実現のため、現在最も高感度なSQUID磁気センサを用いたタンク欠陥早期検出装置の開発を行った。今年度の研究では、磁気シールドのない環境でも動作する、ランプエッジジョセフソン接合をもつ新しいSQUID磁気センサを、平成19年度の研究で開発したロボットベースの電磁的非破壊検査技術に導入した。これにより、SQUID磁気センサに励磁磁場として約400nTの交流磁場を印加しながら、環境磁気中をセンサが三次元移動可能なタンク検査装置を開発した。ここでは、タンク表面に沿ってセンサを移動させ、低周波数交流励磁によりアルミタンク深部まで励磁しながら、アルミタンク内の欠陥に由来する磁場応答分布を測定するロボット移動・測定プログラムを作成した。本装置を用いて、油圧による繰り返し負荷により発生させた亀裂欠陥をもつ厚さ6mmの水素燃料タンクの非破壊検査を行ったところ、10kHz以下の低周波数励磁により、アルミタンク内亀裂欠陥に由来する微小な磁場応答変動を検出することができた。超高感度なSQUID磁気センサをロボットにより環境磁気中で移動させて構造物の非破壊検査を行った例は過去にほとんどなく、従来技術の適用が困難な水素燃料タンクのような先進構造物の品質・完全管理を実現する非破壊検査技術の実用化の可能性が示された。以上の結果から、本研究により検査技術の新規開発・実用化における重要な研究成果が得られたといえる。
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Research Products
(7 results)