2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760514
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 善大 Tohoku Institute of Technology, 工学部, 講師 (40398491)
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Keywords | 電極触媒 / 海水電解 / 酸素発生 / 新エネルギー / CO_2リサイクル |
Research Abstract |
申請者が提案している地球温暖化防止と化石燃料涸渇の回避を目的とした『グローバル二酸化炭素リサイクル』の実現のためには、酸素発生の結果塩酸酸性となる海水環境において安定に酸素を発生させ、かつ、電解中断時も塩酸中で溶解しない高活性・高耐久性陽極の開発は急務である。 電極活物質のチタン基板への密着性を決めるため、エッチングのさいの硫酸濃度および処理温度を種々変化させて、Mn_<1-x>Mo_xO_<2+x>複酸化物電極の耐久性を評価した。エッチング処理条件による耐久性の差は見られなかったが、再現性に差が見られた。80℃、11.5M硫酸溶液中でエッチングすることにより、再現性の高い電極を作製できることがわかった。 この適正な表面粗度が得られたチタン基板上に、酸化イリジウム中間層を形成したのち、Mn_<1-x-y>Mo_xW_yO_<2+x+y>複酸化物電極をアノード電着法で作製した。これまで最も活性および耐久性に優れていたMn_<1-x>Mo_xO_<2+x>複酸化物電極に比べ、耐久性および活性ともに優れた電極が得られた。なかでも、0.2M MnSO_4-0.003M Na_2MoO_4-0.006 M Na_2WO_4溶液を用い、pH=-0.1とし、電着温度90℃、電流密度600Am^<-2>で、電着時間30分間の電着を電着液を更新して3回行なって作製した電極は、2000時間以上の電解においても99%以上の高い酸素発生効率を維持していた。アノード分極挙動から、Mn_<1-x>Mo_xO_<2+x>複酸化物電極に比べて、タングステンを添加したMn_<1-x-y>Mo_xW_yO_<2+x+>複酸化物電極の電解電極電位が下がり、塩素発生を防止したためと考えられる。また、XPS、X線回折などによる解析の結果、電極活物質がγ-MnO_2型複酸化物単相となることが高活性、高耐久性の原因と考えられる。
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