2019 Fiscal Year Annual Research Report
ICTを活用して通常学級におけるインクルーシブ教育を実現する授業設計の研究
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19H00075
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Principal Investigator |
鈴木 秀樹 東京学芸大学, 附属小金井小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | インクルーシブ教育 / ロボット / 学習者用デジタル教科書 |
Outline of Annual Research Achievements |
ICTを活用して通常学級におけるインクルーシブ教育を実現する授業を設計するにあたって、いくつかの具体的な児童への支援方法を確認することができた。特に1. AIを搭載したロボットを活用したプログラミング体験、2. 学習者用デジタル教科書を既存のアプリケーションと組み合わせた学習支援、3. AIを搭載したスピーカーを活用したコミュニケーション支援、の有用性を明らかにすることができた。 1. ロボットによるコミュニケーション支援の可能性の確認 ロボットは、(1)社会的な関わりを要求されない、(2)反応に一貫性があり予測可能性が高い、(3)自分のペースでコントロール可能、という支援を必要とする児童にとってのICTに期待される相性の良さをすべて備えていると言って良い。まだまだ研究の余地は大きいが、支援ツールとしてのポテンシャルは確認できたと言って良いだろう。 2. 学習者用デジタル教科書の利用 2019年度から正式に教科書として認められるようになった学習者用デジタル教科書には、読み書きに困難を抱えた児童への支援に有効な機能が多数、盛り込まれている。本文の読み上げ、フォント、文字サイズ、行間等のカスタマイズはもちろん、漢字にルビを振ることも可能となっている。光村図書出版の国語の教科書に搭載されているマイ黒板機能は書くことに困難を抱えた児童にとっては、教科書の本文を写す必要がなく、大きな助けになる。こうした機能を活用して国語の授業をすすめることで、これまでは読みや書きの部分でつまずいていた児童を考えることに集中させることができる。 3. AIスピーカーの利用 普段は恥ずかしくて言えないような「ありがとう」をAIスピーカーを使って友達に伝えられるようになることで、子どもたちの相互承認欲求や自己効力感に変化があることを確認できた。
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Research Products
(8 results)