2023 Fiscal Year Research-status Report
クルマエビの初期発生段階・雌雄別発現解析による性決定機構の解明
Project/Area Number |
19K06243
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
伏屋 玲子 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(長崎), 主任研究員 (40373469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 崇 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (40313390)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | クルマエビ / 性連鎖SNPマーカー / RNA抽出 / RNA-seq解析 / ポストラーバ |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年に飼育下のクルマエビ雌個体から,自然産卵で採集した受精卵をもとに生産した家系において,ポストラーバ(PL)に変態後,数日ごとにサンプリングした冷凍サンプルについてDNAおよびRNAの抽出を行った。固定液として使用したISOGEN(ニッポンジーン)のプロトコールに従い,各個体からまずRNAを抽出し,残りの溶液からDNAを抽出した。予備試験で抽出が確認されたPL37から時期を遡り,後半のステージ(PL30,PL21)については生殖器部位の形成を推定した腹部をピンセットとハサミで切り出し,前半のステージ(PL15,PL12)についてはホールサンプルを用いた。PL30,PL21,PL15,PL12サンプルについてはそれぞれ個別にRNA,DNA抽出を行うことができたことから,DNAサンプルについては,これまで開発した性連鎖SNPマーカーを用いてし雌雄の判別を行った。PL15(雌雄2個体ずつ,4サンプル)とPL12(雌雄3個体ずつ,6サンプル)について,外注にて次世代シーケンスによるRNA-seq(トランスクリプーム)解析を行った。PL15について得られたreadデータを確認し,トリミング後,ゲノムアセンブルによりリファレンスを作成し,readデータのマッピングを行った。その後,雌雄サンプル間のデータを比較し,雄だけに発現するもの,雌だけに発現するもの,雌と差があり雄の発現が有意に高いもの,雄と差があり雌の発現が有意に高いものの4パターンに分けて抽出後,blast解析を行った。PL12についても同様に解析を行っている。 さらにPLの初期段階やそれ以前ステージの幼生サンプルでは,RNA-seq解析のためのRNA量が足りなかったため,新たに家系を作成し,RNAおよびDNAを抽出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で分担研究機関(東京海洋大学)で実験,解析が実施しにくい期間があり,またDNAで複数家系を使用した詳細な解析を行ったため,RNA-seq(外注)の実施ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題で得られた性連鎖SNPマーカーを用いて,さらにステージが初期段階の幼生についてDNAによる雌雄判別を行い,RNA-seq解析を実施する。発生段階初期に雌雄差のある遺伝子をリストアップすることにより,性連鎖マーカーと連鎖する候補遺伝子の探索を行う。
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Causes of Carryover |
分担機関での実験が困難であった時期があったことと,保存していた幼生サンプルのRNA抽出のサンプル数が多いことから予定よりも時間がかかった。それよりにより,RNA-seq解析に遅れが生じたことから,研究期間の延長を行ったため,次年度使用額が生じた。次年度は繰越により,新たな家系サンプルからRNA抽出を行い,解析を進める。
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Research Products
(2 results)