2020 Fiscal Year Research-status Report
骨髄由来免疫抑制細胞を標的とした放射線治療抵抗性の制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
19K09071
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
東島 潤 徳島大学, 病院, 助教 (30467815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏原 秀也 徳島大学, 病院, 特任助教 (10548738)
池本 哲也 徳島大学, 病院, 特任教授 (20398019)
徳永 卓哉 徳島大学, 病院, 助教 (30448328)
森根 裕二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (60398021)
西 正暁 徳島大学, 病院, 助教 (70464344)
高須 千絵 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (70582823)
吉川 幸造 徳島大学, 病院, 講師 (80448331)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 放射線治療 / 青色LED / 光治療 / オートファジー / 腫瘍免疫 / 腫瘍微小環境 / 腫瘍関連マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに進行下部直腸癌に対して積極的に術前化学放射線療法を施行してきたが、化学放射線療法前の生検検体を用いたmicro RNA microarrayの結果、grade2以上のresponder群でmiR-223が有意に高発現することを報告している。しかしmiR-223の化学放射線療法抵抗性に関与する詳細なメカニズムは不明である。今回miR-223のMDSC誘導に関与する分子としてCXCR4のリガンドであるStromal cellderived factor-1(SDF-1)の上昇は直腸癌に対する化学放射線療法の抵抗性と有意に相関すること,SDF-1 はCXCR2/miR-223/miR-27b pathway にて制御されることが報告されている。化学放射線抵抗性腫瘍はmiR-223が低発現であり、これはNLRP3,miR-27b高発現をもたらすことで、それに伴いCCL2、SDF-1が高発現し、骨髄内から誘導されたMDSC がCCL2-CCR2,SDF-1-CXCR4のそれぞれのbindingを介して腫瘍に高集積することで化学放射線抵抗性につながる可能性があると考えた。 腫瘍のSDF-1発現について、染色強度を0=negative; 1=weak; 2=moderate; 3=strongにスコア化し、予後との関連について検討を行った。染色強度2-3群は0-1群と比較してOSが不良であった。DFSと染色強度には相関を認めず、StageII,IIIに限定し染色強度とOS,DFSとの関連を検討したがいずれも相関を認めなかった。StageIIとIIIとを分けて検討を行っても同様の結果であった。SDF-1発現と病理効果判定には相関を認めず、SDF-1発現とmiR-223、CD33についても相関を認めなかった。免染における10視野でのpositive細胞数を0=0%; 1=0-25%; 2=25-50%; 3=50-75%; 4=75-100% として染色強度との積を0-4:low、6-12:highに分類し同様に検討を行ったが有意な結果は得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
SDF-1の関与についての仮説の検証のため、ヒト検体での発現評価と予後との関連を検討し、OSとの相関を確認したが詳細なメカニズムは未だ不明である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は大腸癌細胞に対する放射線におけるmiR-223の役割と、SDF-1との関連についてのin vitroでの検討を進める予定である。また6~8週齢のBalb/Cマウスを用いて、我々の確立している直腸癌同所性モデルを作成し、放射線治療治療を行いin vivoでもmiR-223とSDF-1の役割について研究を推進する方針である。
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