2021 Fiscal Year Annual Research Report
Primary prevention for iron deficiency anemia during pregnancy in Southeast Asia
Project/Area Number |
19K11277
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
山下 正 神戸市看護大学, 看護学部, 講師 (90613092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 恵美 武庫川女子大学, 文学部, 講師 (90782037)
岩本 里織 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (20321276)
松尾 博哉 大阪信愛学院短期大学, その他部局等, 教授 (60229432)
嶋澤 恭子 大手前大学, 国際看護学部, 教授 (90381920)
田中 祐子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (10535800)
山田 千佳 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 助教 (30848958)
加藤 憲司 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (70458404)
瀬戸徐 映里奈 近畿大学, 人権問題研究所, 講師 (00822719)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 東南アジア / 鉄欠乏性貧血 / フィリピン |
Outline of Annual Research Achievements |
東南アジア諸国の女性においては、妊娠中の鉄欠乏性貧血は予防可能な疾患であるが、妊婦や家族の知識・意識・社会経済環境、ケア提供者による予防的な働きかけの必要性など、社会文化的な要素が複雑に絡み合うことで予防が困難となっている。本研究課題では、東南アジア諸国の住民(フィリピンや日本に居住する東南アジア出身女性)の妊娠中の鉄欠乏性貧血の実態の把握とその予防的活動の構築を行うことを目的とした。本研究成果として次の2点があげられる。 ①フィリピンにおいて、ムンティンルパ市民病院及びムンティンルパ市健康局と共同した研究を実施した。その成果として、(a) フィリピンの妊婦の鉄剤内服のコンプライアンスには、鉄剤内服の利点(メリット)に関する知識が強く関連していること(Yamashita, T. et al, Patient Preference and Adherence, 2021)、(b) フィリピンの女性において、妊娠中の食事の質を向上させる因子は、食物に関する知識(食物の栄養分の知識)と1日の食事回数(食事回数を増やさないこと)であること(Yamashita, T. et al, International Journal of Environmental Research and Public Health, 2022)を報告した。本結果成果は、ムンティンルパ市の妊婦健診で看護職が行う保健指導に反映された。 ②国内の東南アジア出身の在住外国人女性で、新型コロナウイルス感染症流行下において貧血の自覚症状をもつ者は1.54%(2021年9月調査)であった。既存研究に比べて、貧血自覚症状の有所見者は少なかったが、その理由として新型コロナウイルス感染症流行により定期受診等ができなかったことが背景にあると考えられた。 本研究は、新型コロナウイルス感染症流行により調査の制限が多々あったものの、フィリピン及び国内東南アジア出身者女性の鉄欠乏性貧血の実態の把握とそれによる保健政策構築への基礎となる知識を提供することができたと考える。
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Research Products
(4 results)