2020 Fiscal Year Research-status Report
The functional analysis of leukemia disease and the construction of this disease model using APOBEC3/AID double knockout mices
Project/Area Number |
19K17844
|
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
月本 翔太 近畿大学, 大学病院, 助教 (40790762)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | APOBEC3 / レトロウイルス / フレンドウイルス / リンパ組織 / 腸管上皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
APOBEC3はHIV-1などレトロウイルスの複製を阻害する宿主因子である。宿主細胞内の細胞質に局在し、自身が持つシチヂンデアミナーゼ活性によりウイルスゲノムのC(シトシン)塩基をU(ウラシル)塩基に脱アミノ化させ、その結果遺伝子変異を起こし、ウイルスの複製を阻害している。また、その活性はゲノム変異を誘発することでヒト癌の発生や予後にも関与することが知られる。従って、APOBEC3の発現解析は感染防御の理解や癌の克服に向け必須である。これまでにRNAレベルでの発現パターンは解析されているものの、特異性の高い抗体の作成が困難であるため、APOBEC3のタンパク質レベルでの発現解析は十分に進んでいない。本研究ではマウスAPOBEC3(mA3)タンパク質のN末端にin-flameでFLAGタグを挿入したマウスをCRISPR-Cas9系を利用した遺伝子改変技術により作成し(F-KI mA3マウス) 、抗FLAG抗体を使用することで本マウスのリンパ組織・造血組織における生理的なmA3タンパク質の発現解析を行うと同時に、APOBEC3とRNA/DNA編集酵素群の仲間であるAIDをともにノックアウトしたマウスを用いて発がんに関する影響を調べ、併せて各遺伝子に対してさらに機能解析を行うとともに、新たな疾患モデルの樹立及びその治療法の検索を行う。 これまでF-KI mA3マウスにおいて、各種臓器におけるmA3タンパクの発現を解析することに成功している。この過程の中で、脾臓ではGerminal-Centerに集中して発現していること、腸管上皮に特異的に発現することがわかっている。またフローサイトメトリー法を用いてF-KI mA3マウスの脾由来リンパ球でのFLAG-mA3タンパク質の発現も確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物の交配にやや苦慮し、実験全体に遅れが出てしまった。
|
Strategy for Future Research Activity |
マウスAPOBEC3(mA3)タンパク質のN末端にin-flameでFLAGタグを挿入したマウスをCRISPR-Cas9系を利用した遺伝子改変技術により作成した(F-KI mA3マウス)。そのマウスを用いた生理学的なmA3タンパク質の発現はこれまで解析してきた。今後は、①羊赤血球(Sheep Red Blood Cells; SRBC)を接種し胚中心を形成させたり、②フレンドウイルスに感染させて各種造血組織やリンパ組織の反応を見る予定である。
|
Causes of Carryover |
当初より論文作成および投稿費用として考えていたが、研究成果に遅れが生じたため、次年度へ繰り越すこととした。
|