2023 Fiscal Year Research-status Report
民族誌データと数理モデルの融合による社会構造変動理論の構築:格差に着目して
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19K21715
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀧川 裕貴 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (60456340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛塚 和宏 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 講師 (00805244)
藤岡 悠一郎 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (10756159)
田村 光平 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 准教授 (60725274)
柿沼 薫 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 准教授 (20773401)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2025-03-31
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Keywords | 不平等 / 極端気象 / 災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会的格差が生じるメカニズムの研究の一環として、極端気象がもたらす経済格差への永享を実証研究によって明らかにした。具体的には、モンゴルの牧畜を対象に、極端気象後の牧畜者間の経済格差を分析した。2009年にモンゴルでは雪害により、国内の家畜の約20%が失われた。2004年から2013年にかけての長期家畜パネルデータセットを使用し、災害後の経済分布の変化を調査した。結果、災害後に経済格差は拡大し(ジニ係数は0.46から0.61に増加)したことが明らかとなった。格差分析の分解は、グループ内格差が全体の格差に大きく寄与したことを示し、家畜の数が少ない世帯群で格差の増大が大きかった。さらに、家畜の数が回復しなかった世帯は、回復した世帯に比べて災害時の家畜の損失率が高かった。この研究は、極端気象に脆弱な世帯の特徴を同定し、格差の拡大を防ぐ政策的措置を行うための基礎的な知見となり得る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モンゴルにおける格差発生メカニズムの数理モデルについて研究を進めている。概ね、結果は出そろったが、出版のためにまとめるために予想以上の時間がかかったため、期間を1年延長した。2024年度にはこの成果が出版される予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
格差発生メカニズムの数理モデルの出版準備を進めるために、共同研究者の間で頻繁に打ち合わせを行う。
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Causes of Carryover |
モデルの解析に予想以上の時間がかかった。今年度はモデルの解析についての打ち合わせおよび結果の公表(掲載費)に予算を使用する。
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