2020 Fiscal Year Research-status Report
女性学長はなぜ増えないのかー日本の構造的特質と将来展望の探索ー
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19K21738
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
河野 銀子 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (10282196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 裕子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (70226900)
米澤 彰純 東北大学, 国際戦略室, 教授 (70251428)
佐々木 啓子 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 名誉教授 (70406346)
黄 梅英 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 教授 (30458228)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 女性学長 / 大学経営 / 高等教育 / ジェンダー / 男女共同参画 / 育成システム / 国際比較 / リーダーシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の大学の女性学長割合は世界と比して顕著に低い。そこで本研究は、大学の女性学長・リーダーを生み出す要因を探り、日本の特質を踏まえた将来展望を見出すことを目的として進めている。2020年度は、女性学長(経験者含む)に対するインタビュー調査を重点的に行った。コロナ感染症拡大防止の観点からオンライン実施も併用し、10名から話を聞くことができた。おもな研究実績は次の4点である。
1)インタビュー調査の途中経過を日本教育社会学会第72回大会(オンライン)で共同発表した。日本の男女学長の基本的な属性やキャリアの量的な分析に、インタビュー調査で得られた手がかりも加え、女性学長が誕生する社会や大学にはどのような特徴があるのかを探った。学会発表時にはインタビュー数が少なく限定的な分析にとどまったものの、参加者からさまざまな質問や助言があった。2)女子高等教育機関を設立した女性リーダーたちのキャリアとしての海外留学に焦点をあてた論文執筆と学会発表も行った。日本では女性が創設した教育機関が少なくないにもかかわらず、後継者として女性が選出されないという問題も明らかになった。女性学長を輩出し続ける、少数の女子大学での育成方法について引続き研究する必要がある。3)大学基準協会が主催する大学基準協会学長セミナー(オンライン)で「新時代の大学を目指して行動できる学長とはーポストコロナを見据えてー」のパネルディスカッショに大野英男氏、三木義一氏、村田治氏と共に登壇する機会に恵まれた。4)第9回世界女子大学学長フオーラム(オンライン)に参加し、男女共同参画と女性のリーダーシップをはじめ、スマート社会と大学イノベーション、大学ガバナンスと持続可能な開発などテーマでの報告やディスカッションを行った。
以上の他、研究会や打ち合わせをこまめに開催し、スムースに研究を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究が対象としている女性学長は、その数が少ないため、インタビューによる質的調査が欠かせない。そのため、当初は女性が学長に就任している大学を2~3人で訪問して、対面方式によるインタビュー調査を実施することとしていた。2019年度末から、コロナ感染症対策として移動を自粛する必要が生じたが、オンラインによるインタビューにかかる倫理審査を経、同意を得られた学長に対してオンラインで実施することができた。
対面方式とまったく同様のクオリティのインタビュー調査ができたとは言えないものの、一定程度の成果を得ることはできた。調査環境悪化の中でも当初予定していたインタビュー数をほぼ確保できたことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は本研究の最終年度となるため、インタビューで得られた知見を分析し、日本の構造的特質を見出すとともに、今後、どのようにすれば女性学長を増やすことができるのか、将来展望を提示する。
そのため、女性学長に関する先行研究なども参考にしつつ、歴史的変化や国際比較も通して、インタビューを原稿を分析していく。また、研究成果を社会的に還元するため、オンラインでの国際シンポジウムを計画している。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査の実施方法を訪問による対面調査から、オンラインでの実施に変更したことにともない、旅費に余剰が生じた。
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Research Products
(8 results)