2019 Fiscal Year Research-status Report
チャットボットを利用した教育相談システムの構築と検証
Project/Area Number |
19K21779
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
永井 正洋 首都大学東京, 大学教育センター, 教授 (40387478)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澄川 靖信 首都大学東京, 大学教育センター, 助教 (70756303)
松波 紀幸 帝京大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70783512)
小林 博典 宮崎大学, 教育学部, 講師 (10510753)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
Keywords | チャットボット / 教育相談 / AI活用 / 生徒指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、準備・構築フェーズとして、まず、先行研究の検討及びシステムのフレームについての構想を練った。具体的には、教育相談の専門家と協議する中で、システムのデザインと機能を確定した。また、実際の教育相談におけるインターラクションを基に、コーパスの作成を進めた。これら作業には研究分担者の宮崎大学 小林准教授と帝京大学 松波准教授があたっている。チャットボットの構築に関しては、AIであるIBMのワトソンをベースに行った。 次に運用に関しては、当初、小・中学校や高等学校で限定的にクラスを選定し、実験的にチャットボット利用の教育相談を実施する予定だったが、教育的配慮から、初めに大学でのeラーニングシステムに係るFAQシステムをチャットボットを用いて構築、実験する中で、同システムの有効性や安全性を確認した。 その実験では、eラーニングシステムの利用方法に関する問題を被験者に出題し、検索ログ分析による検索速度と問題の正解率への効果を、マニュアルを読む場合と比較した。その結果、チャットボットを使う方法は、マニュアルを読んだ場合の正解率を基準として、同程度の正解率ならば、半分以下の時間で検索できることが、検索ログを分析して明らかになった。今後の課題としては、1.eラーニングシステムとチャットボットを併用した効果的な学習の提供方法を検討する必要のあること、2.質問内容や利用者ごとに適切な検索方法を提示できるように各検索法の適性を明らかにする必要のあることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
元々、教育相談チャットボットのコーパス構築に関して、学校現場関係者にとって初めての取り組みであったので開発が遅れ気味となっていたが、2020年初頭からは、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う行動の自粛・制限があり、更に拍車がかかることになって遅延が生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
教育相談関係者との連携をネットワークを介して密にとり、早期での教育相談チャットボットコーパスの完成を目指す。新型コロナウィルス感染症の影響が強い中、システム利用の実践や評価をどのようにするか検討し、本研究の完遂を目指す。
|
Causes of Carryover |
教育相談チャットボットを構築するためのコーパス作成に、予定より時間がかかっていることにより、学校現場で用いる予定だったパソコン等の購入時期を2020年度としたことによる。
|
Research Products
(2 results)