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2020 Fiscal Year Research-status Report

Master the genome-editing technology in birds

Research Project

Project/Area Number 19K22286
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

堀内 浩幸  広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (80243608)

Project Period (FY) 2019-06-28 – 2022-03-31
Keywordsゲノム編集 / PITCh法 / 鶏卵内生産系
Outline of Annual Research Achievements

従来のノックイン技術は,相同遺伝子組換え(HR)に基づく手法であり,その効率は0.0085%であった。最近,ゲノム編集後のマイクロホモロジー媒介性末端結合(MMEJ)を活用したPITCh法が開発され,その効率は0.66%であり100倍以上に増加した(Nakade et al., Nat Commun. )。また,従来法ではゲノム編集用ベクターに加え,挿入遺伝子の両端に長い相同領域(500~1,000塩基対)を付加する必要があり,ベクターの巨大化が否めなかった。これはベクターの細胞への導入効率と生存率を著しく低下させる。一方,PITCh法では,付加する相同領域は約20塩基対で良く,ベクターの細胞への導入効率と生存率を著しく向上させる。そこで本研究では,ニワトリ始原生殖細胞(PGC)に本手法を適用させ,有用タンパク質の鶏卵内生産系を構築する。
本研究の問題点は,有用タンパク質の鶏卵内生産系を構築するまでの期間が2年以上を要することにある。2年後に目的の生産量が得られないと,またそこから2年以上の研究開発期間を強いられることになり,社会実装が困難となる。そこでまず,in vitroでの評価系をPITCh法に作出し,in vitroでの評価で有用タンパク質の生産に適した系を,PGCに導入する。
2020年度は,これらの問題点を解決するために,2系の新規in vitro評価系を構築し,PGCへの適用を開始した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1)ニワトリオボアルブミン発現DF1細胞株の樹立に成功し,PITCh法によりヒトFGF2をニワトリオボアルブミンの開始コドン上流と終止コドン下流にIRES配列によりノックインした。その結果,開始コドン上流にノックインした細胞株でヒトFGF2の発現が認められた。
2)2020年度は新たに,ニワトリオボムコイドを標的とした系を開発した。これは本研究室の先行研究の成果から,受精卵中のオボムコイドは,ノックアウトしても胚発生やニワトリの成長に影響を与えないこと,またオボムコイドが鶏卵中の非常に厄介なアレルゲンであり,有用タンパク質の精製過程で混入が予想されること,さらに鶏卵中のオボムコイドを有用タンパク質に置き換えることで,現在の鶏卵でのタンパク質生産系を有するC社の5~10倍の生産性を有するためである。2020年度はニワトリオボムコイド発現DF1細胞株をPITCh法により樹立し,培養上清中にオボムコイドの発現を確認した。また,樹立したニワトリオボムコイド発現DF1細胞株にPITCh法を利用し,オボムコイドの遺伝子座開始コドン上流にヒトFGF2遺伝子のノックインに成功した。
3)上記のゲノム編集ツールを用いて,ニワトリ始原生殖細胞(PGC)に対してヒトFGF2遺伝子のノックインを行なった。その結果,オボムコイドノックアウト・ヒトFGF2遺伝子のノックインのPGCの取得に成功した。

Strategy for Future Research Activity

1)ヒトFGF2をノックインしたPGCをクローニングし,初期胚への移植から生殖細胞キメラニワトリ(G0)を作出する。G0が性成熟した段階から,野生型との交配により,G1個体を作出する。
2)2020年度はオボムコイドノックアウト・ヒトFGF2遺伝子のノックインのPGCの樹立のみであったが,2021年度はニワトリオボアルブミンの開始コドン上流にヒトFGF2遺伝子をノックインしたPGCを樹立し,移植実験を開始する。また現在,オボアルブミンの結合部分をIRES配列としているが,発現量の効率を鑑み,T2Aペプチド配列も導入する。
3)2021年度は上記の2つの系を比較して,鶏卵バイオリアクター化で最適な系を選択する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] An improved protocol for stable and efficient culturing of chicken primordial germ cells using small-molecule inhibitors2020

    • Author(s)
      Ezaki Ryo、Hirose Fumiya、Furusawa Shuichi、Horiuchi Hiroyuki
    • Journal Title

      Cytotechnology

      Volume: 72 Pages: 397~405

    • DOI

      10.1007/s10616-020-00385-9

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ゲノム編集を用いた家禽の品種改良技術の確立2021

    • Author(s)
      堀内浩幸
    • Organizer
      COI-NEXTxOPERAx卓越大学院 オンライン合同シンポジウム「TRINITY」
    • Invited
  • [Presentation] ゲノム編集を用いた低コスト組換えタンパク質生産系の構築2020

    • Author(s)
      梶原亮太、江崎僚、松崎芽衣、堀内浩幸
    • Organizer
      第44回鳥類内分泌研究会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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