2019 Fiscal Year Research-status Report
Developing a new respiratory muscle training: mimicking exercise-induced hyperpnoea
Project/Area Number |
19K22803
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片山 敬章 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (40343214)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 康弘 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 先任研究員 (00392697)
石田 浩司 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (50193321)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
Keywords | 呼吸筋 / 持久力テスト / エネルギー代謝 / 過換気 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】呼吸筋活動時の代謝特性を測定可能な装置を作成する. 【実施内容】安静状態において呼吸筋持久力テスト(自発的な漸増過換気)を実施するための再呼吸回路装置を作成した.この再呼吸装置を用いることにより,自発的な過換気による動脈血の二酸素炭素分圧低下を抑制できることを確認した.具体的には,部分開放回路内に再呼吸バッグを接続することにより,随意過換気中の呼気終末二酸化炭素分圧(動脈血の二酸化炭素分圧の指標)を安静時のそれの4mmHg以内に維持することが可能となった.この回路を用いて,呼吸筋持久力テスト(自発的な漸増過換気)を実施し,酸素摂取量,筋酸素動態(呼吸補助筋),筋電図の変化をモニターした.再呼吸回路を用いた場合,酸素摂取量の算出が困難となるが,過換気開始から2分程度で妥当な値が得られること,その後の漸増過換気によって妥当な酸素摂取量の増加が認められることを予備実験において確認した(現状対象者7名).これにより,運動時の呼吸をシミュレートした過換気時における呼吸筋の代謝動態をモニターすることが可能となった.また,呼吸筋持久力テスト中に近赤外分光装置および筋電図計を用いて呼吸補助筋(肋間筋,胸鎖乳突筋)の筋酸素動態および神経筋活動を測定できることを確認した.筋電図の解析には,呼吸パターン(吸息・呼息)に対応した解析方法が必要となる.今回対象とする呼吸補助筋(胸鎖乳突筋・外肋間筋)はいずれも吸息時の活動筋であることから,呼吸流量データを用いて吸息時のみに対応するプログラムを研究分担者により作成しその妥当性についても確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
再呼吸回路を使用した際に,二酸化炭素濃度の変化が通常環境と異なるため,酸素摂取量を算出するアルゴリズムを再設定する必要があった.このため,予備実験開始までに時間を要した.
|
Strategy for Future Research Activity |
再呼吸装置による測定データの妥当性が確認できたことから,呼吸筋持久力テスト,固定負荷テスト,インターバルテストそれぞれを進めていく.現状の予備実験では非鍛錬者を対象としているが,日常的にトレーニングを実施している持久的鍛錬者も対象とし,呼吸筋活動時の代謝特性を明らかにする.これらの結果から,全身持久的運動パフォーマンス向上のための呼吸筋トレーニング・プトロコール作成を進める.
|
Causes of Carryover |
購入した物品費が当初予定から変更があったために次年度使用額が生じた. 次年度における物品費購入のための費用にあてる予定である.
|