2020 Fiscal Year Research-status Report
市区町村の授業スタンダード施策に対する教師の受容度に影響する要因
Project/Area Number |
19K23300
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
澤田 俊也 大阪工業大学, 教職教室, 講師 (80847757)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 授業スタンダード / 受容度 / 市区町村 / 学校 / 教師 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目にあたる本年度では、初年度に配布した質問紙の回収状況を集計し、電子データを分析可能な状態に整えるとともに、授業スタンダードに関する文献調査を行った。 本研究では、授業スタンダードを作成している市区町村に属する小・中学校295校の学校長・校内研究担当者・一般教員を対象に質問紙を配布した。個票ベースにおける質問票の回収数と回収率は、校長票214件(72.5%)、校内研究担当者票208件(70.5%)、一般教員票1497件(63.4%)であった。各学校に調査協力を依頼する前に教育委員会に対して調査の概要を文書と電話で説明するとともに、各学校に対しても文書だけではなく電話で本研究への協力を依頼したため、高い回収率を得られたと考えられる。 また、回収した質問紙の電子データ入力を外部に委託して進めた。その後、分析が可能なように電子データのクリーニングを実施し、基礎的な集計を行った。 文献調査では、授業スタンダードが作成されるようになった背景や自治体における授業スタンダードの作成状況を報告したり、授業スタンダードが授業実践に及ぼし得る影響を考察したりしている先行研究がみられた。その一方で、本研究の関心である、教師が授業スタンダードをどのように捉えているのかを量的に検討している研究は確認できなかった。今後は、本調査で得られたデータを用いて、教師が授業スタンダードをどのように受けとめているのかを実証的に明らかにする必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行に伴う本学キャンパスの一時閉鎖によって、データ入力委託業者との質問紙の受け渡しを円滑に行うことができなかった。このことによって入力データの受け取りが遅延したため、質問紙調査によって得られたデータを本年度に分析することはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の流行の影響によって本研究の進捗が遅れているために、補助事業期間の延長を申請した。次年度では、質問紙調査で得られたデータを用いて、「授業スタンダード」の教師の受容度に影響する要因は何かについて、市区町村教育委員会・学校・教師の階層性を考慮して検討する。分析の結果と得られた示唆については、次年度に海外と日本の論文に投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行の影響により、本研究の成果を関連学会で発表することができなかった。次年度では、改めて先行研究を整理して本研究の意義を明確化したうえで、積極的に関連学会で研究成果を発表する。
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