2023 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring the Mother Tongue of Bilingual Children and their Language Acquisition
Project/Area Number |
19K23322
|
Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
西 香生里 獨協大学, 法学部, 特任助教 (50844198)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
|
Keywords | 日英二言語話者 / 言語習得 / 社会構成主義 / 母語の探求 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的として、日英語二言語話者の会話における言語習得過程と彼らの母語について探求してきた。実施計画に基づき先行文献の研究を行い、被験者2名の児童生徒(研究開始時に11歳と13歳)と会話相手の成人の家庭教師1名との日本語会話の音声を年間通して毎月録音しテープ起こしをした内容を分析した。研究対象者は国内の国際学校に通学している。分析方法は、発話データベースCHILDESのCHATフォーマット(MacWhinney, 2000)と(MacWhinney & 宮田, 2004)を使用し、被験者データを日本語(漢字カナ表記)からローマ字(分かち書き)へ書き起こし分析した。会話録音と書き起こしは2019年後半~2020年度まで実施したが、対面で行った2019年10月から2020年2月までの会話を書き起こした内容に焦点を置き、各発話の形態素に注目し特徴を取り上げ変化を見た。同時に、相手とのやり取りにおいて相手の言葉を受けて言い直したり文をつなげようとしたりする態度にも変化が見られる場面に着目し、児童生徒の方から説明しようとする姿勢の変化も窺えた。ここに相手の言葉による被験者の発話促進への足場掛けの役割が見られる。社会構成主義的視点より対話を通して被験者である児童生徒への会話相手からのサポート的な言葉がけが、足場掛け(scaffolding)にもなり言語発達にも関わっていると考えられる。研究成果は今年度に発表予定である。
|