2019 Fiscal Year Research-status Report
美術教師のライフコース研究ー「教師性」と「作家性」の融合に注目してー
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19K23350
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
阿部 めぐみ (久保田めぐみ) 愛知淑徳大学, キャリアセンター, 助教 (50845807)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | ライフコース / キャリア / 教師研究 / 越境的学習 / 専門性 / インタビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの教師のキャリア研究では、調査対象者が教員養成系大学の学生が中心であった。教育学部を卒業し、教職を目指すという直線的なキャリアのものが描かれることが多かった。 しかし、近年の傾向として「安定した就職先」として、教員養成系ではない大学の学生や様々な専攻の学生が教職を選択している。このことも踏まえ、本研究の目的は最初から教員を目指していなかったが教職に就いている者や、教職を副業としている者など、多様なタイプの教員のキャリア像を提示することである。 令和元年度は、調査対象者の募集とインタビュー調査の質問項目の選定、分析方法の選定を行った。教師研究を軸とすべきか、キャリア研究を軸とすべきか迷うこともあったが、「多様なキャリアの提示」という本来の目的に従い、当事者の語りを中心にキャリア研究を軸として進め、語りのデータが揃った後で具体的な分析方法を検討することとした。 さらに、学生の就職を支えるキャリアセンターに所属していることから、教職履修者以外の進路活動をする学生の声に触れる機会が多くあった。そこには、「教育学部にいるが、教員ではなく一般企業に就職したい」「心理学を専攻したが、心理職の選択肢が少なすぎて、どの進路を選んだら良いのかわからない」といった、進路選択において専攻に囚われて一直線のキャリアしか描けなくなってしまう一面があることを実感できた。本研究が、教職履修者以外の学生にとっても、柔軟なキャリアを築くための支えとなるよう結果を示していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
彫刻家兼学校職員であるA氏に令和元年度中にプレインタビューを予定していたが、感染症の影響で延期となっている。調査対象者が学校の教員であるため、交付後の長期休み(3月)にインタビューデータを収集する予定であった。 芸術系の研究大会で調査対象者を募る予定もあったが、現在延期となってしまった。研究者が愛知県在住であり、調査対象者の住む東京都への移動が困難になっていることも一因である。
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Strategy for Future Research Activity |
インタビュー調査の環境が整うまでは、先行研究の収集とレビューを行っていく。 令和二年度7月までには、調査対象者のインタビューデータを揃える計画である。感染症の影響で面会が不可の場合、遠隔でインタビューができるよう現在は環境を整えている。 8月、9月には分析方法を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
令和元年度に予定していたインタビュー調査とデータの文字起こし発注が延期となったため、謝金・人件費の使用が「0」となっている。 令和二年度では、延期となったインタビュー調査の謝金、文字起こし発注の人件費として使用する。さらにインタビュー環境が整うまで行う先行研究の収集と、レビュー用に使用する予定である。
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