2020 Fiscal Year Annual Research Report
神経性やせ症に対する家族焦点型集団家族療法の傾向スコアマッチング法による効果検証
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19K24220
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Research Institution | Institute of Wellness and Ecological Sciences (Global Research Center for Applied System Science) |
Principal Investigator |
横山 貴和子 有限会社自然医科学研究所(実証システム国際研究センター), 実証システム国際研究センター, 研究員 (80851443)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 神経性やせ症 / 家族療法 / アノレキシア / アタッチメント / 母子関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、当初の計画では先行研究においても無作為化比較試験(RCT)が著しく困難とされてきた重症の神経性やせ症患者に対して、3つの医療機関と連携した4箇所で定期開催されている家族会に6回以上母親が参加している母親とその子(親50人/患者50人)の介入群と、家族会への参加を拒否または3回未満しか参加しなかった母親とその子(親50人/患者50人)の対照群において、擬似ランダム化デザインである傾向スコアマッチング法を採用して、縦断での家族介入効果を検討しようというものであった。
しかし、現実には各施設の倫理審査段階において、折からのコロナ禍も重なり長期中断等が生じ、大幅な時間を費やす事態となってしまった。加えて、承認後においても実際にはコロナ禍の影響は想定以上に大きく、2施設のみでは家族会のオンライン開催に漕ぎ着け介入が再開されたものの、他の2箇所では家族会が感染対策により定期開催されなくなってしまった。また、被験者が低栄養状態という重症の神経性やせ症患者で、医学的な感染リスクが強く懸念されるという理由で、研究調査目的での来院には感染を警戒されるために被験者のみならず紹介者である医師にも抵抗が大きかったことから、リクルートは著しく難航した。さらにその対策としてのオンラインでの調査実施にも倫理審査での修正申請承認にも時間を要したことで、研究計画は大幅に遅れ、かつ先の見えないコロナ禍での今後の家族会の運営再開やリクルートが順調に進む目処がつかず、計画通りの実施が困難との判断に至った。
そのため、当初予定されていた二群比較の縦断研究ではなく、ここまで実施した研究期間内で40組の親子から得られた質問紙結果を分析し、親子関係と神経性やせ症の病理に関する横断的な分析とその考察へと研究計画は変更となった。
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