2020 Fiscal Year Research-status Report
Non-pharmacological for dementia prevention in chronic obstructive pulmonary disease patients
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19K24240
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山本 真弓 昭和大学, 医学部, 講師 (10515232)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | COPD / サルコペニア / 軽度認知機能障害 / MCI |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は主に長期の喫煙歴がある中高年に発症し、本邦で40歳以上の約530万人が罹患する全身炎症性の慢性疾患である。COPDと軽度認知機能障害(MCI)のリスク上昇の関連が報告されているが、サルコペニアを有するCOPDとMCIの関係性は明らかでない。COPDの呼吸運動療法を継続した上で、MCIを考慮した栄養運動指導が効果を示せば、多職種で協力しCOPDのADLの低下と介護度の上昇を抑えることができ、医療費や社会保障費の抑制に貢献できる。 本研究の目的はCOPD患者の低栄養やサルコペニアとMCIの関連性を明らかにし、認知症予防につながる栄養運動療法の立案をすることである。 当院通院中の65歳以上の同意を得られたCOPD患者に対し、背景調査、筋力評価、栄養評価、MMSE、MOCAJ、血液検査等を施行した。 COPDと診断され定期通院中である60名の患者がエントリーし、要件を満たした計55名を評価した。平均年齢74±5歳、女性5名であった。COPDの重症度とサルコペニアの有無や認知症、MCIの有病率に有意差を認めなかった。また、40%がAWGS2019の診断基準によるサルコペニアに該当した。サルコペニア群では非サルコペニア群と比較しFEV1.0が低く、CATスコアが高い傾向であり、MCIに該当する患者が有意に高かった。75歳以下でも、サルコペニア群ではMCIに該当する患者をより多く検出し、呼吸器症状が強く、呼吸機能の低下を認めた。MCIに該当する患者はCOPD患者のうち41名(74.5%)であった。MCI群では年齢がより高く、MMSEは有意に低値であり、歩行速度が遅く、男性のみの検討では握力低下を認めた。 MCIの診断となった患者に運動栄養療法の指導を行い、1年後の再評価を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID19の流行に伴い、患者エントリーや検査、面談による認知機能テスト、各種検査施行日程に影響が出ている。一般的な高齢者の軽度認知機能障害(MCI)の検出率は25%前後と予想されていたが、現段階ではCOPD患者におけるMCIの検出率が70%を超えていることから、被験者の感染リスク回避が優先し、状況に応じ可能な範囲でエントリーを継続する方針である。また、再評価の段階で同感染の不安から同意撤回(再評価希望せず)する事例を認めるため、被験者の意思を尊重しながら研究を継続する。
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Strategy for Future Research Activity |
COPD患者のMCI検出率が予定を上回ったこと、COVID19の感染流行に伴い、患者エントリーが遅滞していることから80名の評価予定を減量し研究を継続する。
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Causes of Carryover |
COVID19の流行に伴い、研究計画の遅延と、国外学会での成果発表予定が未定となったため。 次年度使用予定は、論文執筆、学会発表に伴う費用、血液検体の分析に伴う物品費の補填医使用する予定である。
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Research Products
(1 results)