2021 Fiscal Year Research-status Report
低出生体重児と家族のQOL向上と多職種連携継続ケアの推進のための養育手帳の開発
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19K24243
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
友安 由貴子 広島国際大学, 看護学部, 助手 (00745953)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 低出生体重児 / NICU退院後 / 母親 / 支援 / フォーカス・グループ・インタビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究1では,低出生体重児と家族を支援する育児手帳作成の基礎資料を得るために、NICU退院後の低出生体重児を養育する母親を対象に、低出生体重児と家族のための育児手帳のニーズ調査をした。本研究の意義は、NICU退院後の低出生体重児をもつ家族のニーズの把握が、低出生体重児の家族を支援する手帳作成の基礎資料として活用できる点にある。低出生体重児に対応した育児手帳の作成によって、低出生体重児の母親の育児不安の軽減、家族と地域の医療・福祉資源との連携、家族のQOLの向上が期待できる。 A県の低出生体重児の親の会の代表者に、対象者の選定基準・除外基準に基づき、対象候補者の紹介を依頼した。同意を得た母親に,フォーカス・グループ・インタビューを実施した。COVID-19感染予防のため、インタビューは、WEB会議システムを用いて実施した。インタビューの日程調整が困難な場合は、電話による個別インタビューを行った。対象者は、NICU退院後の低出生体重児を養育している母親20名であった。低出生体重児を養育する母親の育児困難感と希望する支援に着目し、育児手帳のニーズを分析した。母親は、育児手帳に、【心理的負担の軽減】と【産後の心と身体のケア】を助ける【ピアサポートの促進】、【育児困難への相談先や信頼できる情報源】の掲載を求めた。母親は、育児手帳に、【低出生体重児の発育の指標】の掲載と記録、【育児記録】、【出生時からの子どもの情報管理】、【多職種の情報共有ツール】としての機能を求めた。また、育児手帳への新たなニーズとして、育児手帳の早期提供と母親の体調不良への対応を示した。本研究結果から、低出生体重児に対応した育児手帳は,母子保健サービスの継続的保証ツールと示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1において、低出生体重児を養育している母親を対象に、低出生体重児用育児手帳のニーズ調査を行った。NICU退院後の育児において困ったこととその対処法、母親が希望する支援から、育児手帳ニーズとの関連を分析した。研究結果を論文にまとめ、第41回日本看護科学学会学術集会において、学会発表を行った。発表は、COVID-19感染拡大に伴い、WEB開催であった。また、研究論文は,「International Journal of Environmental Research and Public Health」へ投稿し,受理された。 研究2においては、医療機関が作成した育児手帳「たいせつなきみ」、行政が作成した在宅医療に必要な育児手帳「タンポポ手帳」の実態調査として手帳を利用している母親へのインタビュー調査を予定していた。しかし,COVID-19感染拡大に伴い,医療機関への研究依頼が難しいこと,県外移動や対面でのインタビューが困難なことから,研究計画を変更することとなった。今後の研究においては,育児手帳利用者の量的調査や、在宅医療をしている児を養育する母親の育児手帳ニーズ,低出生体重児の在胎週数の違いによる,育児手帳のニーズ調査を考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、医療機関が作成した育児手帳「たいせつなきみ」や,行政が作成した在宅医療に必要な育児手帳「タンポポ手帳」の実態調査として,手帳を使用している母親へのインタビューを計画していた。しかし,COVID-19感染拡大に伴い,県外移動や対面でのインタビューによる感染リスクのため研究依頼が難しいことから,研究計画の変更が必要である。 今回行った調査から,低出生体重児の在胎週数等の違いから,母親の育児手帳ニーズに違いがあることが推察された。しかし,対象者数が少ないことから結果を一般化することは難しく,対象者数を増やした調査が必要である。低出生体重児を養育する母親のニーズに合致した低出生体重児用育児手帳の作成において,既存手帳(リトルベビーハンドブック)に基づき作成された低出生体重児用育児手帳の活用実態とニーズについて,量的調査を計画している。育児手帳を配布するNICU(県立広島病院及び広島市立市民病院総合周産期センター)への研究依頼をし,研究を推進する。また研究1の課題から,在宅医療をしている児を養育する母親の育児手帳ニーズ,低出生体重児の在胎週数の違いによる,育児手帳のニーズ調査のため,インタビュー調査を計画している。
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Causes of Carryover |
研究2においては、医療機関が作成した育児手帳「たいせつなきみ」、行政が作成した在宅医療に必要な育児手帳「タンポポ手帳」の実態調査として手帳を利用している母親へのインタビュー調査を予定していた。しかし,COVID-19感染拡大に伴い,医療機関への研究依頼が難しいこと,県外移動や対面でのインタビューが困難なことから,研究計画を変更することとなった。今後の研究においては,育児手帳利用者の量的調査や、在宅医療をしている児を養育する母親の育児手帳ニーズ,低出生体重児の在胎週数の違いによる,育児手帳のニーズ調査を考えている。量的調査としてアンケート調査にかかるアンケート作成費,打合せ会議費,郵送料と予定している。また,在宅医療をしている児を養育する母親の育児手帳ニーズ,低出生体重児の在胎週数の違いによる,育児手帳のニーズ調査の面接において,面接謝礼やレスパイトケア費,面接テープ起こし等にかかる費用を予定している。
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Research Products
(2 results)