低出生体重児と家族のQOL向上と多職種連携継続ケアの推進のための養育手帳の開発
Project/Area Number |
19K24243
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0908:Society medicine, nursing, and related fields
|
Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
友安 由貴子 広島国際大学, 看護学部, 助教 (00745953)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
|
Keywords | 低出生体重児 / NICU退院後 / 母親 / 支援 / 連携ツール / フォーカス・グループ・インタビュー / NICU / 退院後の支援 / 質的研究 / 養育手帳 / 育児支援 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、児と家族のQOL向上のために、家族と多職種の情報共有と連携のツールとなる低出生体重児のための療育手帳を作成することである。本研究は、①低出生体重児の手帳を使用していない母親に対する、低出生体重児の手帳のニーズ調査、②行政・医療機関作成の低出生体重児の手帳の活用実態調査(質的調査)を行う。この結果に基づき、③3手帳(低出生体重児の母親・行政・医療機関作成)を利用している母親に利用実態とニーズを調査する(量的調査)。④上記研究を基盤に、低出生体重児の母親と広島県の多職種(医療機関・行政・訪問看護等)が連携し、療育手帳を作成する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
研究1では,低出生体重児の育児手帳のニーズ調査を行った。低出生体重児の母親の育児ニーズと養育手帳ニーズを明らかにするために,広島県の低出生体重児の手帳を利用していない母親に質的調査を行った。低出生体重児を養育する母親は,育児手帳に,心理的負担を軽減し,産後の心と身体のケアを助けるピアサポートの促進と,育児困難の相談先や信頼できる情報源の掲載を求めた。母親は育児手帳に低出生体重児の発育指標の掲載,育児記録や出生時からの子どもの情報管理と多職種の情報共有ツールとしての機能を求めた。母親の育児手帳への新たなニーズは,育児手帳の早期提供と母親の体調不良への対応であった。今回の育児手帳を利用していない母親による育児手帳のニーズと,「リトルベビーハンドブック」の内容,リトルベビーハンドブック」利用者による有効性評価を検討した。「リトルベビーハンドブック」掲載の「同じ経験をした母親のメッセージと低出生体重児のサークル(親の会)」,「発育指標やNICU入院中・退院時の記録」,「低出生体重児の合併症,保健医療情報,助成情報と連絡先,フォローアップ体制」の内容について,リトルベビーハンドブック利用者は有益性を評価し,今回の調査者も育児手帳へのニーズをもっていた。これらのことから,今回の結果は,リトルベビーハンドブックの適切性を強化したと考える。家族・多職種の情報共有ツールは,リトルベビーハンドブック利用者,非利用者とも重要な内容となっている。低出生体重児は,脳性麻痺,呼吸器疾患等の合併症や健康問題を抱える児が多いことから,医療や療育支援を受ける機会が多くなる。そのため,低出生体重児用の育児手帳は,家族と多職種の情報共有と連携のツールとなる機能の付加が必要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究2では,低出生体重児のための既存手帳の活用実態と手帳のニーズを明らかにするために,既存手帳の実態調査を計画していた。既存手帳として,長期フォローアップのための手帳「たいせつなきみ」(長野県立こども病院で使用),在宅医療児支援のための医療・保健・福祉の連携手帳「たんぽぽ手帳」(京都府山城北保健所で活用)である。これらの手帳を利用している低出生体重児の母親に,手帳の活用と効果,ニーズについてファーカスグループインタビューを行う予定であった。新型コロナウイルス感染拡大により,県外移動が難しく,研究依頼や,研究協力を得ることが困難であった。対面でのインタビューや,インタビュー時の手帳利用児の託児など,感染リスクを最小限に抑えることが困難と考え,研究2が実施できなかった。そのため,本研究の準備として,以前に行った「リトルベビーハンドブック」(低出生体重児を養育する母親グループと行政,医療機関が作成)の有用性調査を基に,研究1の結果を検討した。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究は,育児手帳を利用していない一つの地域の一つの親の会メンバーへの質的調査であったこと,また,育児手帳に関する先行研究が無いことから,リトルベビーハンドブック利用者への質的調査(本研究の準備の先行研究)と研究1との比較検討にとどまった。今後,低出生体重児と家族への母子保健・医療・福祉サービスの包括的・継続的保証ツールとなる育児手帳の作成のために,対象者数を増やした量的調査や,指標を用いた有効性の検討などが必要である。 研究課題の今後の推進方策として,研究3の既存手帳(既存3手帳)の活用実態とニーズのアンケート調査として,リトルベビーハンドブックを基に一部の自治体で作成された,低出生体重児用の育児手帳の活用実態と有効性について量的調査を実施する。 フォローアップ健診時に,低出生体重児用の育児手帳(リトルベビーハンドブック)を配布している母親に研究の説明とアンケート用紙を配布する。アンケート回収は,後日,郵送してもらう。NICUを併設している医療機関(周産期医療センター)の小児科ドクターに研究の説明を行い,研究協力を得る。
|
Report
(4 results)
Research Products
(3 results)