2019 Fiscal Year Research-status Report
Antenna Engineering for Humanitarian Demining Radar in Colombia
Project/Area Number |
19KK0102
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 源之 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (40178778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 潤 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (10453797)
菊田 和孝 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教 (70801249)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 地中レーダ / 人道的地雷除去 / 土壌 / 爆発物 / 電磁波散乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年9月、コロンビア国立大学においてIEEE Antenna and Propagation Society の支援を受けてInternational Workshop Advanced Technologies for Detection of Landmines and Improvised Explosive Devicesを開催した。ALIS技術を紹介すると共に、コロンビア国立大学研究者と研究打ち合わせを行った。2019年11月、ノルウエー・オスロ市で開催された国連対人地雷禁止条約第4回検討会議に外務省と共催でサイドイベントを企画し、地中レーダによる地雷検知技術の紹介を行った。コロンビアのNGO CCCMからの参加者と、ALISのコロンビアにおける活動について打ち合わせを行った。2020年3月、公明党地雷プロジェクトチームの国会議員に対して、最新の地雷検知技術の講演を行った。 コロンビアにおいて、土壌の電気的な性状評価を行う手法として東北大学が所有するTDRによる誘電率計測、四極法による電気抵抗率計測、磁気センサによる透磁率計測の基礎準備を行った。また、ALISをコロンビアに持ち込むため、経産省から輸出許可を取得した。 ALISを1ユニット購入し、ソフトウエアの準備を行った。アンドロイドの新バージョンに適応するためにソフトウエアの改修を行った。また地中レーダアンテナの手動走査による高さ方向の変動補正を行うアルゴリズム開発を行っている。 2020年3月にコロンビアを訪問し、土壌評価用サイトの整備について現地打ち合わせと、ALISの基本操作の指導をコロンビア国立大学研究者と行う予定であったが、新型コロナウイルスのため渡航制限を受け延期としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定した準備は順調に進んだ。2020年3月にコロンビアを訪問し共同研究を現地で実施する予定であったが新型コロナウイルスのため渡航を延期せざるを得なかった。これまでの成果について国際会議へ2編の論文を投稿し、採択されたがコロナウイルスのため学会が中止となたため公表論文が無い。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)2019年度に予定しながら延期していた土壌評価用サイトの整備について現地打ち合わせと、ALISの基本操作の指導をコロンビア国立大学において早期に実施する。 (2)コロンビアの地雷除去活動を行うNPO CCCMとコロンビアの地雷原を訪問し、現地の状況を理解する。また特徴的な土壌や、典型的な地雷に関する情報を入手する。 (3)そのために実地雷原数カ所でデータを取得し、土壌の導電率、誘電率、透磁率の空間的な統計分布モデルを構築する。このモデルを利用してテストレーンが現地土壌と類似した電気的性質を再現するための設置法を提案する。テストレーンは典型的な地雷のレーダデータを取得することに加え、ALISを操作する操作員の訓練に利用する。同時に在コロンビア日本大使館とODAでのALIS導入について情報交換を進める。 (4)ALISソフトウエアの改良を継続する。手動走査によるアンテナ移動軌跡を3軸加速度センサ情報から推定しているが、地雷計測特有の走査方法の特徴を制約条件として組み込み、より精度と信頼性の高い移動軌跡の推定法を改良する。これにより、合成開口レーダ処理(SAR)による3次元埋設物のイメージング精度の向上をめざす。 (5)現在カンボジア実地雷原では日本のNPO IMCCDの協力を得て、ALISを運用している。このデータを利用し、実地雷原における地中レーダのデータベースを蓄積する。十分な数のデータを蓄積したところで、AIでの解析について検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスのため、予定した渡航が延期となった。2019年度に予定した現地土壌の予備調査、国立大学にテストレーンの設置などを併せて進める。
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Research Products
(7 results)