2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・プロフィットセンター・システムが自己効力感と自律的動機づけに及ぼす効果
Project/Area Number |
20530421
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
渡辺 岳夫 Chuo University, 商学部, 准教授 (00294398)
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Keywords | マイクロ・プロフィットセンター / 自己効力感 / 自律的動機づけ |
Research Abstract |
当年度は,マイクロ・プロフィットセンター・システム(MPCS)が自己効力感と自律的動機づけに及ぼす効果に関する分析モデルを構築した。MPCSは,下記の一連の5つの段階において顕著な特性があり,本モデルは,その諸特性と自己効力感・自律的動機づけの関係を予測した仮説群によって構成されている。本研究は,MPCSの心理的効果に関する網羅的研究として,我国おいて最初のものである。 1目標変数の決定段階:この段階の特徴は,(1)目標変数としての小集団別の利益指標の採用,(2)目標達成の意義の強調,(3)参加型の目標水準の決定,(4)目標水準の公の表明,(5)遠位目標の設定である。(1)により会社への貢献が実感しやすくなり,自己効力感への正の効果が生じている。(2)から(5)は,自律性欲求充足や挑戦心への刺激などを通じて,自律的動機づけへ正の効果を及ぼしている。 2プロセスの行動遂行段階:(1)高い自由裁量権の付与と(2)リーダーを疑似的経営者として措定するといった特徴により,自律的動機づけへ正の効果を及ぼしていると推定できる。 3実績の測定:ここでの特徴は,日次でのフィードバックである。これにより,超短期の自己評価サイクルが創発され,自己効力感へ正の効果が及ぼされるものと考える。 4評価:(1)インフォーマルな相対評価と(2)フォーマルな絶対評価という特徴を通じて,自律的動機づけへの正の効果が推定される。 5評価結果に基づく行動選択:(1)上司等の称賛行動による自己効力感への正の効果が,(2)成果と短期的金銭報酬との非連動性による自律的動機づけへの正の効果が推定される。
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