2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Asymptotic behavior of random walks in random environment
Project/Area Number |
20540121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
HAMANA Yuji Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00243923)
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | ランダムウォーク / ランダム媒質 / 再帰性 / 大偏差原理 / エントロピー関数 |
Research Abstract |
本研究は,ランダム媒質中のランダムウォークが再帰的となるための必要十分条件を与えるために,均質媒質中のランダムウォークの多重点の個数に関する大偏差原理を確立させることを目的とする ランダムに不純物を含む1次元正方格子上のランダムウォークが研究され,再帰的であるための必要十分条件が与えられた.しかし,均一な媒質の中のランダムウォークの挙動からは想像もできない結果が示され,世界の多くの研究者が興味を持った この結果が多次元ランダム媒質中のランダムウォークの再帰性の研究の出発点となり,これまでに多くの研究者がこの問題に取り組んできたが,満足いく形で解決しているわけではない.また,均一媒質中の,いわゆる古典的なランダムウォークの道の詳しい性質を調べることによって問題を解決しようという試みが,小谷を中心とした研究者の間で提唱され現在に至っている.特に,ランダムウォークの標本路の多重点の個数に関する大偏差原理を確立することによって問題解決の糸口を掴もうと研究されているが,その問題自身もそれほど詳しくわかっているわけではない しかし,訪問点の個数に関しては詳しく調べられており,近年の研究において,部分的にではあるが大偏差原理が成立することがわかっている.そこで,重要なのはエントロピー関数の決定であり,訪問点の個数に関する大偏差原理を「完全に」解決することが,多重点の個数に関する大偏差原理を確立することへの布石となる.そしてそこで用いられた手法を改善することにより,多重点の個数に関するエントロピー関数を決定することができると考えている
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