2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790250
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宝田 剛志 Kanazawa University, 薬学系, 助教 (30377428)
|
Keywords | 時計遺伝子 / 軟骨細胞 / Indian hedgehog / Bmall |
Research Abstract |
時計遺伝子の関節組織における役割をin vivoで解析する目的で、Bmallノックアウトマウスを作成し、軟骨細胞の分化成熟過程における時計遺伝子の役割を解析した。生後1日齢Bmall欠損マウスの新生仔より肋軟骨を摘出し、軟骨細胞の初代培養を行った。アスコルビン酸を添加することにより分化誘導を行い、培養7、14および21日目に各種解析を行った。軟骨細胞の成熟マーカーであるAlcian blue染色およびアルカリフォスファターゼ(ALP)活性の測定を行った結果、Bmall欠損マウス由来軟骨細胞では、野生型マウス由来軟骨細胞と比較して、それらの染色性および活性が有意に低下していた。軟骨細胞は間葉系幹細胞から分化するが、Sox5、Sox6およびSox9はいずれも、静止軟骨細胞が増殖軟骨細胞に成熟するときに必須の転写因子であるのに対し、IhhとRunx2はともに増殖軟骨細胞から肥大化軟骨細胞への成熟を促進する因子である。これら軟骨細胞成熟を制御する遺伝子や、軟骨細胞の成熟前期マーカーであるcollagen IIおよび後期マーカーであるcollagenXのmRNA発現量をReal-time PCR法にて解析した。その結果、野生型マウス由来軟骨細胞と比較して、Bmall欠損マウス由来軟骨細胞では、IhhとcollagenXのmRNA発現が有意に低下していたのに対して、Sox5, Sox6, Sox9およびRunx2のmRNA発現には著明な変化は認められなかった。また、生後1日齢のBmall欠損マウス、あるいは野生型マウスの新生仔より脛骨を摘出し、固定、脱灰および脱水後、凍結切片を作成し、in situ hybridizationにより各種軟骨細胞成熟関連遺伝子のmRNA発現を解析した。その結果、IhhとALPのmRNA発現量がBmall欠損マウスの脛骨において有意に低下していた。本研究結果より、Bmall欠損マウスにおいてはIhhのmRNA発現量が減少し、軟骨細胞の成熟化が抑制されている可能性が示唆される。したがってin vivoにおいても、軟骨細胞の成熟を促進するIhhの発現が、Ihhの上流に存在するE-box配列を介し、時計遺伝子により制御されている可能性が考えられる。
|
Research Products
(18 results)