2020 Fiscal Year Annual Research Report
心理社会的介入の臨床試験におけるコーディネート体制基盤の構築
Project/Area Number |
20H00703
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
豊田 彩花 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 臨床心理士・公認心理士登録申請中
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 臨床試験 / コーディネート / ランダム化 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的:臨床試験の運営上,コーディネーター(Clinical Research Coordinator; CRC)は欠かせない存在である。偽薬を対象とした治験に比べ,心理社会的介入による研究では患者の盲検化ができないため,盲検化の維持にはCRCによる特別な対応が必要となる。しかし,我が国においては,心理社会的介入の盲検化比較試験は少なく,試験運用のノウハウが確立していない。そこで本研究では,医学系の臨床試験と心理社会的介入による臨床試験のCRC業務での共通点及び相違点を明らかにする。これらの内容を整理し,幅広い心理社会的介入を伴う臨床試験で共通して利用できる手順書のひな形を整備することを目的とした。 研究方法と成果:本研究では,これまで実施してきた心理社会的介入の評価者盲検無作為比較試験のCRC業務を整理し,問題とその対策を整理した。具体的には以下の手順で行った。①:被験者・評価者・治療者の連絡調整,盲検化の維持に関する手続き,評価時の対応,病院や主治医との連携等においてこれまで発生した問題を整理した。②:①で挙がった問題点を基に当センターのCRC 業務で行ってきた管理方法や対策についてまとめ,医薬系の臨床試験のCRC 業務との共通点,相違点も含めて整理した。③:COVID-19の影響により当初予定していた専門家へのインタビュー調査は断念し,①,②で得られた知見を基に,初学者向けの育成プログラムを作成した。④:当センター内の職員を対象に,全6回のプログラムを実践し,その前後でアンケートを実施した。その結果,「実業務に対する不安が和らいだ」,「業務へのモチベーションが高まった」との意見が得られた。
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