2020 Fiscal Year Annual Research Report
授業場面におけるソーシャルサポートが協同作業認識と児童同士の相互作用に及ぼす影響
Project/Area Number |
20H00707
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Research Institution | 大阪市立加島小学校 |
Principal Investigator |
真田 穣人 大阪市立加島小学校, 小学校教員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | ソーシャルサポート / 協同作業認識 / 協同学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,児童の被受容感,ソーシャルサポートと協同作業認識に着目して,協同学習の導入が児童同士の相互作用に及ぼす影響を検討し,小学校における協同学習の進め方についての知見を得ることが目的であった。調査は小学4年生を対象に,10月(協同学習実施前)と12月(協同学習実施後)に実施された。主な結果は以下の通りである。 (1)協同学習導入後に,被受容感,評価的サポート,情緒的サポートが高くなっていた。また,協同作業認識の個人志向が低くなっていた。協同的な学びの中で互いに助け合い,サポートし合うことで,児童は認め合い,互いに受け入れ合う関係を級友とつくることができたということが考えられる。一方,先行研究では,協同学習の導入で児童同士の相互作用が高まっていたものの,本研究においては児童同士の相互作用に有意な変化は認められなかった。本研究で実践した期間の短さによるものなのか,本研究で実践した協同学習プログラムに課題があるのか,あるいは,児童の発達段階の問題であるのか,さらに検討していく必要がある。 (2)児童の知覚するソーシャルサポート,被受容感,協同作業認識と児童同士の相互作用について予測されたプロセスをもとに共分散構造分析を行った結果,ソーシャルサポート,被受容感,協同作業認識の協同効用から児童同士の相互作用に有意な正のパスが認められた。 以上のことから,協同学習の導入によって,仲間からのソーシャルサポートを知覚し,それが,被受容感や協同作業認識,そして児童同士の相互作用に影響を及ぼすことが認められた。児童同士の相互作用に直接的に影響を及ぼしているのは,協同作業認識であることが明らかとなった。
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