2020 Fiscal Year Annual Research Report
高専卒女性技術者の実証的ライフコース調査による高専女子キャリアの研究
Project/Area Number |
20H00710
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Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
谷口 亜紀子 津山工業高等専門学校, 技術部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 女子高専卒業者 / ロールモデル / キャリア形成事例 |
Outline of Annual Research Achievements |
高等専門学校(以下、高専)においてこれまで数多くの女子学生・卒業生と関わってきたが、その過程で高専を優秀な成績で卒業し技術系専門職に就きながらも短期間で離職に至る事例や、技術系専門職への就労意欲を十分に獲得できない学生が少なくないことに気づいた。 すでに「ロールモデル供給を核とした技術系女子学生向けキャリア教育の開発」(課題番号:17H00240)および「技術系専門職に就く女子高専卒業者のキャリア形成阻害要因を探る」(課題番号:19H00038)の採択を受け、35歳以上の津山高専女性卒業者20名に対しライフコースの形成過程とそれに対する主観的な把握のあり方に関する質的研究を実施した。この年代は高専在学時に女子学生向けキャリア教育を受けていない世代であり、調査時まで継続して技術系専門職に就いていた対象者は20名中8名であった。そこでキャリア教育の有無およびその内容とその後のライフコースのあり方の関係という探求課題が浮上した。 津山高専では2011年度より組織的にキャリア教育を模索している。本研究では在学時に高専でキャリア教育を受けた女子学生が在学時に得た見通しや就業後に歩んだキャリア形成過程について面談調査を行い、女子学生向けキャリア教育の影響とその必要性・方法に関する基礎資料を得ることを目的としている。令和2年度は新卒5名に対し面談調査を実施し、初職選択理由や在学時のキャリア教育に対する想い・5年後10年後の自分に対する想いを聞き取った。 今後はこうした事例の蓄積を積み上げ、長期的・継続的に調査を行うことが大切である。また同じ対象者に対し、長期的に調査を継続することも見込んでいる。 研究の成果として第12回全国高専技術教育研究発表会in久留米での発表および津山工業高等専門学校紀要へ投稿している。
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