2020 Fiscal Year Annual Research Report
スマホ依存傾向と協働学習,学校での活動,社会汎用能力との関連
Project/Area Number |
20H00725
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石橋 太加志 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 附属中等教育学校教諭
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | スマホ依存傾向 / 協働学習 / 社会汎用能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
①問題と目的 文部科学省(2017)は,子どもたちが未来社会を切り拓くための資質・能力を育成することを重視している。批判的思考力や協働の力はその資質・能力の一つである。また,協働学習の認識が学校適応感,批判的思考態度に正の影響があることを示した先行研究(石橋他,2016)もある。一方で中学生・高校生にスマホの所持・利用が急速に広まり,この過度利用の結果,学習や生活姿勢に問題が生じている。しかし,スマホの依存と協働学習の研究はみられない。本研究の目的は,中学生・高校生のスマホ依存傾向が協働学習の認識,学校での活動,社会汎用能力との関連について検討することである。 ②研究の手続き 研究対象:中学生(2~3年生)と高校生(1~3年生)。対象学校:研究者の勤務校。学校の特色は全教科で協働学習が取り入れられている。研究方法:(1)質問紙調査研究 質問項目の構成①協働学習認識尺度(石橋他,2016)。(2)一般的な批判的思考態度尺度(平山・楠見,2004)および学習面の批判的思考態度尺度(楠見他,2016)。(3)スマートフォン依存傾向尺度:風間・加藤・板山・川内・藤谷(2020)の大学生のためのスマートフォン行動嗜癖の自己評価尺度の原案42項目を調査項目として,中学生,高校生のスマホ因子を検討する。倫理的配慮:東京大学で倫理審査を申請し審議・検討を経て了承された。また調査学校の全体会議でも承認を得た。 ③結果と考察 風間他(2020)の大学生のスマートフォン行動嗜癖尺度原案を用いた結果,中学生と高校生で因子構造が異なることが示唆された。それらは大学生のモノとも異なると考えられた。中学生,高校生のスマホ因子の中には協働学習の効用感因子との間に有意な負の相関や,互恵懸念因子との間に有意な正の相関がみられた。中学生,高校生のスマホ因子のいくつかは性差がみられた。
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