2020 Fiscal Year Annual Research Report
高等学校におけるPythonの実行環境の違いによる教育効果に関する研究
Project/Area Number |
20H00789
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Research Institution | 愛知県立小牧高等学校 |
Principal Investigator |
井手 広康 愛知県立小牧高等学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 情報Ⅰ / プログラミング / Python |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度から年次進行で実施となった高等学校学習指導要領において、教科「情報」ではこれまで選択必修科目であった「社会と情報」と「情報の科学」が「情報Ⅰ」に統一され、「プログラミング」の単元が必修化となった。文部科学省は授業で取り扱うプログラミング言語を指定していないが、高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修教材においてPythonのプログラムを例示している。また、「情報Ⅰ」の教科書ではPython、JavaScript、VBA、Scratchの四つのプログラミング言語が使用されており、この中でもPythonの使用を予定していると回答した学校が多い傾向にある。ただし、Pythonにはさまざまなプログラミング環境が存在するが、プログラミング言語と同様にプログラミング環境についても文部科学省は指定していない。 そこで本研究では、高等学校のプログラミング教育において、プログラミング環境の違いによって生じる教育効果の違いを比較することを目的とし、1年生7クラスに対してそれぞれ異なるPythonのプログラミング環境を用いて同一の授業を行った。なお、本研究において授業で使用したPythonの実行環境は、IDLE、Jupyter Notebook、Jupyter Lab(TextFile形式とNotebook形式の2通りを使用)、Spyder、Visual Studio Code、Google Colaboratoryの6種7通りである。ARCS評価シート、事前・事後アンケート、確認テストの結果から、プログラミング環境のうちTextFile形式のものに良い結果が表れる傾向があり、特にJupyter Lab(TextFile形式)とSpyderが他のプログラミング環境と比較して高い教育効果が期待できることがわかった。
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