2020 Fiscal Year Annual Research Report
災害時にリーダーシップを発揮できる生徒の育成を目指す避難訓練の実践的研究
Project/Area Number |
20H00798
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
廣瀬 明浩 大阪教育大学, 附属学校園, 副校長
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 避難訓練 / 上町台地 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,宿泊型の避難訓練を実施することによる生徒の意識変化を誘発し,ホスピタリティの伴うリーダー育成を目指した。しかしながら研究期間全体を通して,新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため人と人の近接した接触が忌避され,もって,当初予定の研究活動の大半を実施できなかった。研究費の有効活用のため,避難訓練活動に代わる以下の研究活動を実施した。 ①宿泊避難を行う体育館の環境測定:訓練にせよ実際にせよ,宿泊避難を行う場所は筆者の勤務校の体育館である。本体育館はバレーボールコートを4面設置できる広さで,かつ,壁面に窓が存在しない。そのため,夏季は館内気温の上昇が激しく避難生活環境として不適切であることが予想された。令和3年5月から9月にかけて温度測定用データロガーを用いて,体育館内の気温変化を詳細に測定した。その結果,7月中旬ごろから9月末まで晴雨にかかわらず館内気温が32℃を下回ることなく,最高気温は39.5℃に達することがわかった。 ②中空糸浄水装置を利用した簡易浄化装置の作成:宿泊避難中の飲料水は,校内に備蓄した非常用飲料水でまかなえる。一方で上水道が断水したときの手洗い用水の確保のため,市販の中空糸浄水器を利用した簡易浄水器を試作した。 ③カリキュラムマネジメント先進校の視察:今後,本研究結果を日常の学習指導と関連付けながら実践するために,綿密なカリキュラムマネジメントが必要であると認識している。先進的事例の研究のため3校の学校訪問を行い,多角的な実践資料を獲得することができた。 ④上町台地の巡検:大阪市内に存在する活断層である上町断層とそれによって形成された上町台地の巡検を行った。巡検には数人の生徒と同勤の教員の参加があった。
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