2020 Fiscal Year Annual Research Report
小学生を対象とした総合的な学習における食品ロス問題を考えるための玄米茶教材の開発
Project/Area Number |
20H00800
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Research Institution | 臼杵市立佐志生小学校 |
Principal Investigator |
東 徹哉 臼杵市立佐志生小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 玄米茶 / 食品ロス / カリキュラムマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
小学生を対象とした稲作の教育実践は多くの学校で取り組まれているが、稲刈り後、籾殻を取り除いて玄米に仕上げる工程で、小米、いわゆる「くず米」が出ることはほとんど知られていない。この「くず米」の一部は、一般の米流通には乗らず、安い価格で飼料用や米菓子用に買い取られている。 また、「くず米」の粒の大きさによっては、採算が合わないことから処分もされることもある。このような事実はこれまで当たり前のこととされ、小学校での米作りでは、ほとんど取り上げられてこなかった。これを食品ロスと捉えて教材化し、生活科・総合的な学習の時間のカリキュラムマネジメントとして提案することは、令和元年 10 月 1 日に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行される中、社会的に重要な意味を持つ。 本研究では、この「くず米」を地元・県内外の製茶企業、各ステークホルダーらとの協働により、付加価値を持つ「玄米茶」の教材化を考案し、それを用いたいくつかの予備的授業研究を行った。そして、児童が稲作やお茶作りの体験活動を通して、地域の食品ロスに対する見方・考え方の気づきを変容させることを目的とした。 「くず米」を活用した新しい教材の開発の中核は、お米作りと茶摘み体験を通して玄米茶作りを行い、他者との交流をする中で、食品に対する視点を「もったいない」という児童の主体的な気づきへと移動させることにある。この枠組みに基づき、コロナ禍の中で(1)くず米の実態と玄米茶の作り方の研究、(2)うるち米ともち米の玄米茶の比較、(3)児童と保護者の試飲の授業とアンケート、(4)カリキュラムマネジメントの可能性を探るという予備的授業研究を行った。
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