2020 Fiscal Year Annual Research Report
教材開発を目的とした発想から実体化までの観察~ある中学生対象のロボコンを例に~
Project/Area Number |
20H00849
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
星 勝徳 岩手大学, 理工学系技術部, 理工学系第一技術室室長
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | ロボコン / プログラミング / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
〇研究目的:岩手県北上市の生涯学習センターで毎年開催されている中学生対象の「北上ロボットコンテスト」(以下ロボコンと称す)において、課題達成率向上を目指した改良点の検討を行い、そこからプログラミング教材の開発に役立つ知見を得ることを目的とする。このロボコンの特徴は、先行するプログラミング講習会とセットとなっていることと、市販の自立移動型ロボットの「プロロボ」を使用していることにある。 〇研究方法:ロボコンで中学生が考えた作戦、プログラム、競技中のプロロボの動作を観察する。また課題を達成できなかったプログラムは完成を試みる。それらをデータとして収集するため作戦記入用紙とプログラム保存用USBメモリを参加者に配布し、また競技を録画するシステムを構築する。さらに中学校理科の教科書からフィジカルプログラミングの対象となりそうな事柄を検討する。なお、新型コロナウイルスの影響でロボコンが中止となったため、データの収集はプログラミング講習会の中で実施されたミニ・ロボコンにて行った。 〇研究成果:プログラム化の様子をプログラミング的思考の記号化のプロセスを参考に観察した結果、問題点の把握から改善の中で記号化に失敗していることが分かった。ロボコンの流れを継続的に改善する手法のPDCAサイクルを参考に観察した結果、他者の失敗を自分の参考に出来ていないことが分かった。共通点は「気づき」であった。このことから、競技中に気づきを促すため、講習会で何を経験させるか、が改良点と成ることが分かった。気づきを促す経験という点からプログラミング教材の開発について考察を行い、自身の学習に役立つツールを作成し、実際に用いることで経験を強める、という知見を得た。
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