2020 Fiscal Year Annual Research Report
課題別学習「体感する数理」のシラバスデザイン~日常の中にある数理を体感する~
Project/Area Number |
20H00903
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小張 朝子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 中等教育学校教諭
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 体感する数理 / 課題解決 / 数学の有用性 |
Outline of Annual Research Achievements |
東京大学教育学部附属中等教育学校では、総合的な学習として、週に2時間(50分×2コマの連続授業)の「課題別学習」という授業を行っている。教員は、自由に講座の内容を決めることができる。受講する生徒は、中学3年生と高校1年生の2学年で、開講されている講座の中から、興味がある内容のものを選択し1年間通して、その講座で学ぶ。この研究は、課題別学習で「体感する数理」という講座を開設し、日常の中にある数理を体感していくことを通して、数学や理科のおもしろさ、有用性を実感させることを目指す。生徒が自ら課題を解決するために、工夫して考えることができる題材を選定する。 扱った題材は、「ペットボトルロケットを50m先のターゲットに飛ばす。」「音の不思議~バイオリンで数学を体感する。」「ビュフォンの針の実験」「正四面体を使った平面のしきつめ」「万華鏡の形を三角柱から違う立体にしてみる」「ブラックライトを使って、見えない光を見る」「ジグザグ立方体の体積を求める」「数学を使って宇宙を測る~地球から金星までの距離、地球から太陽までの距離」「東京スカイツリーで数学を体感する」などである。 例えば、「ペットボトルロケットを50m先のターゲットに正確に飛ばす」では、実際に打ち上げられているロケットとペットボトルロケットの仕組みが同じであることを説明し、尾翼やノーズコーンの形、重心の位置、水の量、発射角度などパラメータを変えることで正確に飛ばすための実験および考察を行った。実験結果を生徒同士で共有し、参考にした。ロケットの1号機はJAXAが出しているマニュアルに従って作ったが、2号機以降はそれぞれの生徒が課題を見つけ、工夫したロケットを製作した。 課題別学習の1年間のシラバスをデザインするとともに、日常生活の中にある数理を体感できる授業案を作成した。
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