2020 Fiscal Year Annual Research Report
火山地域の自然と経済が両立して豊かに発展するための降灰量検知センサの開発
Project/Area Number |
20H00927
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Research Institution | Kagoshima National College of Technology |
Principal Investigator |
永田 亮一 鹿児島工業高等専門学校, その他, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 画像解析 / 降灰センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 降灰被害を減災・防災するためには,降灰の情報を必要な時に知ることが重要である.そこで,本研究では,降灰の様子を撮影した画像を解析して,画像内に占める灰の割合から降灰量の程度を判断できる安価なセンサシステムの開発を行った. 研究方法 アルミ棒とアクリル板,木材を用いてW900×L1,800×H900[mm]の閉鎖した空間内に灰の粒子を照らす光源とその様子を撮影するカメラを設置し,上部から降らせた灰を撮影した.その際,灰はφ125[μm]以下に選別し,総重量を0.01~0.04[g]の間を0.01[g]間隔で変化させた条件で実験した.撮影は60fpsで10秒間実施した.解析はフレーム毎の差分をとり,灰の軌跡と背景で2値化し,画像内に占める灰の割合[%]と降灰量[g/m2]との相関について検証した.また,定量化のため,降灰模擬装置の開発も実施した. 研究成果 光源に赤外光を用いることで,灰の像を撮影し,その軌跡と背景とで2値化することができた.しかし,降灰量と画像内に占める灰の軌跡との相関は,確認できなかった.これは,降灰条件(径・密度)が安定していなかったことが原因である.このことから,降灰条件を安定させる模擬装置を開発した.降灰模擬装置は,閉鎖空間内にカメラから1,000[mm]の距離で700[mm]の高さに灰を設置する受け皿と,その下部に灰を空中に噴射するシリンダと噴射した灰をカメラ方向に飛ばすファンにより構成した.この模擬装置により得られる降灰は,風速1.92[m/s]の条件で約φ35[μm]であった.また,同条件で噴出圧力0.4[MPa]の条件では,噴出時間t[s]と降灰量k[g/m]には,k=10.258t+1.567の関係が得られた.このため,降灰量と画像内に占める灰の軌跡との定量的な検討が可能となった.今後,条件一定の下での相関について試験する予定である.
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