2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H00937
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
牧田 祥子 富山高等専門学校, その他部局等, 海事系 技術職員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | VR教材 / 船員安全教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然を相手に人類が造った最大の移動構造物を扱う船員には常に危険が伴う。ゆえに船員養成教育において「危険を本質的に理解できる経験」は重要である。大型外航船の幹部職員を養成する海事教育機関での教育訓練内容は、国土交通省の定める船舶職員養成施設教育基準を満たす必要があり、訓練基準は「船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約」(STCW条約)を踏まえた実践的訓練が前提である。一方で近年は、実習中の安全への配慮の優先度が極めて高く、安全を理由に実技指導を充分に行えない場合がある。そこで、VR(Virtual Reality) 技術を使い、船員として本来の実務に近いヒヤリハットを含んだ ”安全に体験することのできる新しい教育プログラム”の開発は今の時代に合った訓練手法の可能性がある。 以下の方法で研究を実施した。 ①類似した実技実習を実施している商船高等専門学校を対象にヒアリング調査を実施②学生の安全確保に重きを置くことで、指導観と実際の指導に特に大きな差異が生じている実習を教材のシナリオとして選定③情報量の多い360度カメラを主体に計5台のカメラを使用し、実際の実習を撮影、その素材を使用しVR教材を開発④試作した教材を学生に視聴してもらい、アンケート結果を分析 試作したVR教材を商船学科の学生3~5年生に体験してもらい、自由記述式のアンケート調査にて客観的意見を抽出した。その結果、比較的肯定的な意見や、VR動画教材そのものへの感想、教材の改善すべき点が認識できる意見も得られた。VR教材は商船系教育での学びにおいて効果的な側面があることはアンケートでの肯定的な意見にて確認された。VR教材の開発は、現在世界中で問題となっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受ける教育機関としても、学習者の登校を前提としない学習環境の整備につながる良いきっかけとなった。
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