2020 Fiscal Year Annual Research Report
波エネルギーを利用したIoTセンサを駆動するための小規模発電装置の開発
Project/Area Number |
20H00939
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
齋藤 憲寿 秋田大学, 理工学研究科, 技術職員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 波エネルギー / IoTセンサ / 発電 |
Outline of Annual Research Achievements |
IoT社会を実現するためには電源の確保が重要な課題の一つとして挙げられており,天候や昼夜を問わず電力を供給し,電池のように交換を必要としない代替電源技術であるエネルギーハーベスティングが注目されている.しかし,海中は人が立ち寄り難い環境であるためエネルギーハーベスティングのニーズが高いが,関連した研究はあまり行われていない.そこで著者らは海中で使用するIoTセンサの駆動や通信に不可欠な自立電源への適用を想定し,波力発電装置の開発を行っている.本研究では発電装置を水深の異なる環境へ設置し,発電への影響について検討した. 発電の仕組みとして,円筒(直径65mm×高さ165mm)の下端を回転自由にした発電装置に波が衝突すると,波の衝撃力と円筒の浮力(復元力)によって振り子運動が行われる.そして,円筒内部にある振動発電デバイスが変形することによって発電装置の振動を吸収し,電気エネルギーへ変換する. 可傾斜造波循環水路(長さ12m,幅0.3m)の中央付近に発電装置および超音波波高計を設置した.そして水深を160および280mmに調整し,規則波(波高20mm,周期2s)を発生させた.各計測機器はワンボードマイコンの一種であるArduinoに接続しており,20ms毎に5s間,波高,発電装置の角度,角速度および振動発電デバイスの電圧を計測した. 実験の結果,水深の低下に伴い円筒の浮力が低下すると,振り子運動の角度や角速度が大きくなり,振動発電デバイスの最大電力が大きくなることが明らかとなった.今後は波の周期や波高を変えて実験を行い,振り子運動と発電の関係を明らかにしていく.
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