2020 Fiscal Year Annual Research Report
外来種ドクニンジンの分布および国内種との競合共生調査
Project/Area Number |
20H01010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
乙黒 聡子 北海道大学, 薬学研究院, 技術職員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | ドクニンジン |
Outline of Annual Research Achievements |
外来生物法の「その他の総合対策外来種」に指定されている植物であるドクニンジンは北海道大学札幌キャンパス内で多くみられ、約20年前に分布調査報告がある。そこで、この20年でどれくらいの分布の変動があり、またどのような植物と共生・競合しているかの調査を実施した。しかし、2020年度はコロナ禍による緊急事態制限やそれ以降も外出が制限され、当初予定していた調査範囲を大幅に縮小し、また回数を減らさざるを得なかった。そのため、予定よりもかなり限定されたものになった。 結果的にキャンパス内のドクニンジン分布域は20年前と同程度で、主に2パターンでの群生が認められた。1)キャンパス内を流れるサクシュコトニ川沿いで木立ちがある半日蔭の場所。特に弓道場付近の群落が大きかった。他にも附属図書館本館付近、量子集積エレクトロニクス研究センター裏、工学研究院付属エネルギー・マテリアル融合領域センター裏、ホッケーハンドボール場付近にあった。これらの場所ではドクニンジンの周囲にはイワミツバが多く認められた。2)木立の端や隙間から日の差す半日蔭の場所。情報基盤センター南館付近が多かった。他に野球場付近、中央食堂付近、大学文書館脇でにもあった。これらの場所では、ドクニンジンと共にゴボウ、オオウバユリ、エゾニュウなどが認められた。 2年草のドクニンジンは5月頃から2年目株が草丈を伸ばし、この時期は山菜としても食されるシャクと似ていたが、茎の暗紫色の斑点により見分けが可能であった。一方で9月頃には草丈30cmほどの小さな1年株のみ残存し、この頃のドクニンジンは特徴的な茎の暗紫色の斑点がわずかにしか認められない。そのため初秋のドクニンジンはイヌニンジンやノラニンジンと極めて似ていた。しかし、シャクもイヌニンジンもノラニンジンについても調査範囲においてはこれらの植物がドクニンジンと混在している場所は認められなかった。
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