2020 Fiscal Year Final Research Report
人工心肺施行患者における母集団解析に基づくトラネキサム酸の個別化投与設計法の開発
Project/Area Number |
20H01024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
Asada Mizuho 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | トラネキサム酸 / 臨床薬物動態学 / 心臓手術 |
Outline of Final Research Achievements |
我々は、東京医科歯科大学医学部附属病院で心臓手術を受けた患者87名の閉創時血中濃度を既報のトラネキサム酸の薬物動態パラメータと患者の腎機能から予測し、閉創時トラネキサム酸血中濃度と周術期出血量、輸血量、手術後48時間までのドレーン排液量を検討した。閉創時トラネキサム酸血中濃度と周術期出血量には有意(p<0.01)な関係があり、閉創時トラネキサム酸血中濃度は出血量の効果パラメーターとなる可能性が示唆された。
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Free Research Field |
臨床薬物動態学
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
トラネキサム酸は、古くから術後の止血薬として使用されている抗プラスミン剤である。心臓手術は、線溶系を活性化する人工心肺を使用することが多いため大量のトラネキサム酸が使用されている。しかしながら、その投与が原因とされる痙攣が1~5%生じることが問題となっている。今回の研究成果は、人工心肺施行患者におけるトラネキサム酸の有効かつ安全な個別化投与設計法を開発する際の一助になると考える。トラネキサム酸の予測閉創時濃度と周術期出血量の関係性を見出すことで、患者個別の投与設計へと発展させることが可能である。
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