2020 Fiscal Year Annual Research Report
加齢黄斑変性におけるmRNA-miRNA統合解析を用いた新規治療標的の同定
Project/Area Number |
20H01053
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
松本 千恵美 旭川医科大学, 医学部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 加齢黄斑変性 |
Outline of Annual Research Achievements |
〈研究目的〉 加齢黄斑変性(Age-related macular degeneration:AMD)治療には脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization;CNV)を抑制する抗VEGF療法が第一選択として用いられている。しかしながら、患者への経済的負担、長期予後不良、反応不良例の存在などの問題点を有するため、新たな治療の開発が急務である。近年次世代シーケンサーの普及とバイオインフォマティクス解析の成熟によるmRNA-miRNA統合解析は疾患のメカニズムの解明、診断や創薬への応用が期待されている。そこでmRNAとmiRNAの発現プロファイルデータを統合的に解析することでAMDの原因であるCNVに最も関与の深い因子群の同定を行い、新規治療標的候補について提示することを目的とした。 〈研究方法・成果〉 AMD動物モデルであるレーザー誘発性CNVマウスモデルのレーザー照射5日後に採取した後眼部からtotal RNAを抽出し、次世代シーケンサーにて網羅的なmRNA、miRNAの遺伝子発現解析を行った。 その結果発現比、群間での検定とクラスター解析を行い、レーザー誘発による血管新生に伴いmRNAでは約400種類の遺伝子に、miRNAでは約70種類に変動があることが明らかになった。変動mRNAと変動miRNAの発現が逆相関関係であるものを抽出し、データベースを使用しmiRNAの標的となるmRNAの予測を行った。さらに標的mRNAについて再度RT-qPCR解析を行い、4種類の遺伝子について発現上昇を確認した。しかしながら発現上昇を確認したmRNAを標的とするmiRNAを含む17種類のmiRNAについてdigital PCRにて絶対定量を行った所、発現減少しているmiRNAの確認には至らなかった。
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