2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H01108
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
藤井 祐葵 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | 血清アミロイドA / アポリポタンパクA-I / HepG2細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
血清アミロイドA(SAA)は急性期反応タンパクの一つで、炎症性サイトカインの刺激により主に肝臓で合成される。血中のSAAの多くは高比重リポタンパク(HDL)と結合し、SAA含有HDL(SAA-HDL)として存在する。以前我々は、HDLに添加したSAAがHDLに取り込まれSAA-HDLを形成するとともに、HDLの主要アポリポタンパクであるアポリポタンパクA-I(apoA-I)の一部が離脱することを明らかにした。また、炎症の程度が異なる患者血清からHDLを分離し、SAAの分布を調べたところ、炎症の程度に関わらず大きなHDLから小さなHDLまで広く分布していた。このように、肝臓から分泌されたSAAはHDLに結合し、通常のHDLとは異なる多彩な粒子を形成すると考えられるが、その形成メカニズムは明らかではない。先行研究において,ヒト肝細胞癌由来細胞株HepG2より分泌されたSAAから実際にSAA含有HDLが形成されることを示唆する研究結果が得られた。したがって本研究では引き続き、HepG2を用いてSAA-HDL形成メカニズムの解明についてさらに詳細な研究を行った。 HepG2細胞内のSAAとapoA-Iの局在を蛍光免疫染色および共焦点レーザー顕微鏡を用いた解析と近接ライゲーションアッセイ(DuolinkTM PLA)にて解析したところ、SAAとapoA-IはHepG2細胞から放出されたときは同粒子内に存在しているが、HepG2細胞内では別々に存在している可能性が示唆された。 この研究成果を学会で発表し、最終的には学会誌に論文を投稿する予定である。
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