2020 Fiscal Year Annual Research Report
人工知能技術を応用した患者被ばくを低減する新しいPET検査法の提案
Project/Area Number |
20H01129
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
福井 亮平 岡山大学, 保健学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Keywords | PET/CT / 深層学習 / GAN |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,人工知能技術による画像生成モデルを使用してPET画像からCT様画像(pseudo_CT)を作成し,これを減弱補正に使用する技術の開発を目標とした.画像生成モデルには特徴量の変換に特化したモデルであるCycleGANを採用した.CycleGANの構築・実行ソフトウェアにJupyter Notebook,使用言語はPython3,ライブラリにPyTorchを使用した.学習用の画像として,減弱補正処理が行われる前のPET画像(noac_PET),および同時に撮影されたCT画像(real_CT)を各15,000枚取得した.これらをCycleGANで学習した.なお,epochなどのハイパーパラメータについては,事前に最適値を決定した.学習結果をnoac_PETに反映することで,疑似的なCT画像(pseudo_CT)を得た.pseudo_CTを用いてnoac_PETへ減弱補正を施すことで,疑似的な減弱補正を実行したPET画像(pseudo_PET)を得た.生成された画像の類似度を測定する指標として,PSNR,SSIMおよびDice係数を使用した.real_CTに対するpseudo_CTの各指標はそれぞれ,0.8,0.73,0.70となった.また,real_CTで減弱補正したPET画像に対するpseudo_PETの各指標は,0.85,0.80,0.81となった.pseudo_CTの生成精度はまだ低いため,学習データの増強,ハイパーパラメータの見直しなど,学習環境の改善が必要である.しかし,本研究により減弱補正までの一連のプロセスは構築することができた.本研究を臨床で用いると,まったくCTを撮影することなくPET検査を終えることが可能となる.これにより,大幅な被ばく低減が実現し,より多くの患者にPET/CT検査を安全かつ安価に受ける機会を提供できると考えている.
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