2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H01167
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
能登 公也 金沢大学, 附属病院, 診療放射線技師
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 –
|
Keywords | 遮蔽計算 / X線診療室 / 漏えい線量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,CT装置に特化した遮へい計算法をより適正に評価するために必要なX線透過率データを構築することを目的とした.現行法令でのCTの遮へい計算は以前より過剰に安全側に評価(数10倍から数100倍)されており,我々はCTに特化した遮へい計算方法を提案し改善した.しかし,遮へい材のX線透過率についての検討は不十分であった.CT装置のガントリからの漏洩および人体から発生する散乱X線エネルギーを解明し,そのエネルギーにおける遮へい材の透過率データを構築した. 以下の2項目について検討を行った.(1)3社のX線CT装置(各社2モデル計6台)を用いてガントリ透過分と散乱線分のX線エネルギーを測定した.(2)得られたX線エネルギーについてモンテカルロ計算により鉛,コンクリートの透過率を計算した. X線エネルギー測定の結果,平均エネルギーの変化は1次X線(62.3 keV)に対し,ガントリ透過X線は非常に高く(88.4 keV),散乱線分は低い(55.3 keV)結果となった.評価方向によりX線エネルギーが大きく異なることを解明することができた.鉛及びコンクリートの透過率をモンテカルロ計算により求めた結果,鉛は現行通知に比べガントリ透過分,散乱線分共に大きくなった.コンクリートは散乱線分については現行通知より小さくなったが,ガントリ透過分は高い結果となった(Fig.3).ガントリ透過分は散乱線分に対し,線量が非常に微量であったため,遮蔽計算に及ぼす影響を検討した結果,その割合は約0.3%であった.以上のことから以下の結論を得た.ガントリ透過分はエネルギーが非常に高いが遮蔽計算に与える影響は少ない.鉛については現行通知では過小評価であるため,通知改定を含めCTに特化した数値提供が必要である.
|