2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the Concept of the dharmadhatu (fajie): Focusing on an Analysis of the Early Mahayana Sutras and Their Older Chinese Translations
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20H01185
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
藤井 淳 駒澤大学, 仏教学部, 教授 (00610726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Rhodes Robert 大谷大学, 文学部, 名誉教授 (00247769)
庄司 史生 立正大学, 仏教学部, 准教授 (00632613)
石井 公成 駒澤大学, 仏教学部, 教授 (10176133)
佐々木 大悟 龍谷大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (50748316)
伊久間 洋光 大正大学, 綜合仏教研究所, 研究員 (60869709)
Conway Michael 大谷大学, 文学部, 准教授 (70549526)
宮崎 展昌 鶴見大学, 仏教文化研究所, 准教授 (70773729)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 法界 / 十地経 / 無量寿経 / 法華経 / 真理表現 / dharmadhatu / 大乗経典 |
Outline of Annual Research Achievements |
繰越を行ったため、本欄には令和2(2020)年度と令和3(2021)年度の研究実績の概要を記述する。本科研は大きく二つの柱に分かれる。第一は研究遂行のために海外の研究者を招聘する国際交流を主要な目的とし、第二はdharmadhatuに関係する古訳を含む漢訳経典の対照表を作成することである。周知の通り、2020年より始まったコロナ禍により、対面による国際交流はできなくなった。2020年8月にIABS(国際仏教学会)でパネル発表する予定であったが、コロナ禍のために2年延期となった。代わりにオンラインによる研究会を積極的に開催した。 【オンライン研究会の開催】1か月1度のペースで2年にわたって25回の研究会をオンラインで開催した。そのうち11回を英語で開催し、2回は海外の研究者が日本語で発表した。科研代表者・分担者、そして研究協力者の相互理解に努めた。 【研究成果の公表】2021年9月に行われた日本印度学仏教学会で本科研のメンバーから4名がオンライン参加のドイツ在住の研究者2名とともにパネル発表を行い、成果を公表した。2021年5月には研究代表者が国際東方学者会議で報告を行った。 【対照表の作成】当初は『十地経』のみの対照表作成の予定であったが、『無量寿経』『阿弥陀経』および『法華経』の一部の対照表を作成することにした。『十地経』の対照表作成も当初の計画より前倒して行った。オンラインによる検索機能を充実させている。 【研究史の調査】最新の研究成果の確認と今まで見落とされていた過去の研究を確認した。中でも19世紀のフランスの東洋学者ウジェーヌ・ビュルヌフのdhatuについての記述を検出した。またビュルヌフの八千頌般若経の仏訳の手稿がオンラインで公開されており、真理表現を考える上で重要となる第12章と第16章をフランス人研究者の協力を得て文字起こしを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対面による国際交流がコロナ禍により行えていない点は「遅れている」と評価せざるをえないが、以下の三つの点を評価し、「おおむね順調に進展している」とした。(1)オンラインによって海外の研究者とも対面よりも頻繁に研究交流を行えたこと、(2)従来であれば一緒に集まる機会が少なかった関東圏と関西圏の研究分担者がオンラインで同時に集まる機会になったこと、(3)科研の第二の柱である対照表の作成を前倒しで進行させたことという三つの点を評価し、「おおむね順調に進展している」とした。『十地経』対照表の一部入力に協力する予定であった韓国の協力者がやむを得ない事態で作業ができなくなった一方で、『無量寿経』『阿弥陀経』および『法華経』の一部の対照表の作成を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
報告書を作成している時点(2022年5月)においては、コロナ禍による研究者の往来は日本は慎重な姿勢を取っているとはいえ、世界的には再開しつつあるといえる。令和4(2022)年度にはIABS(国際仏教学会)が2年の延期の後に韓国・ソウルで開催されることが決定しており、パネル発表のために参加する予定である。今後も当面はオンラインを中心に研究会を定期的に実施する。 研究史を整理して、本科研における見解を検討する。そして海外の研究者の協力を得て英文論文集を刊行することを目指していく。
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Research Products
(51 results)