2020 Fiscal Year Annual Research Report
Estimation, prediction, and control of road transportation system by integrating traffic flow theory and machine learning
Project/Area Number |
20H02267
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
瀬尾 亨 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (90774779)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 裕通 金沢大学, 地球社会基盤学系, 助教 (10786031)
佐津川 功季 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (40867347)
中西 航 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 研究員 (70735456)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 交通流理論 / 交通ネットワーク分析 / 機械学習 / 統計的推定 / 強化学習 / スパースモデリング / 出発時刻選択問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はテーマA,B,Cに分かれて遂行する計画となっている.今年度はそれぞれのテーマで以下の研究に取り組んだ.テーマA:動的ネットワーク交通流の性質の交通工学理論に基づく数学的解析,テーマB:統計的機械学習に基づく交通状態・需要情報の推定・将来予測手法,テーマC:理想的な状況を仮定した強化学習による交通システム制御手法などを開発した.各テーマの具体的な成果を以下に述べる.Aでは,例えば道路利用者の属性に異質性がある場合の単純な道路ネットワーク上の出発時刻選択問題を解析することで,その動的利用者均衡配分と動的システム最適配分を導出し,それらの類似点と相違点を明らかにするとともに,実際の制御についての理論的な示唆を得た.テーマBでは,例えばスパースモデリングに基づく県間旅行行動の長期分析を行い,COVID-19のような大規模事象に応じてどのように需要が変化するかを明らかにした.また,GPSデータにもとづく都市規模の観光流動分析手法や,高速道路上の交通状態推定手法を開発した.さらに,交通サービスのユーザーの利用動向を観測し,その行動モデルを構築し交通サービス固有の状況との関係を明らかにした.テーマCでは,例えば強化学習手法として知られるQ学習を用い,比較的単純な道路ネットワークに対し観測可能な交通情報のみから最適な動的混雑課金を漸近的に求める手法を開発し,シミュレーションにより検証した.また,自動運転システムの運行計画を最適化するためのヒューリスティックなアルゴリズムを開発した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では,2020年度はテーマA:動的交通配分の理論解析,テーマB:需要情報の推定・将来予測手法の開発,テーマC:強化学習による交通システム制御手法の開発を行う予定であった.研究実績に述べた通り,これらの目的は高いレベルで達成された.一方,当初はこれらの手法を東京2020オリンピック・パラリンピックの交通データで検証する予定であったが,COVID-19の影響によりそれは不可能となった.代替手段を検討するために予算の繰越を行ったが,結果として時間的な遅れは生じたものの,研究課題としてはおおむね順調に進んでいると評価する.
|
Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り,現段階の成果のさらなる高度化と応用を進める予定である.ただし,前述した通り東京2020オリンピック・パラリンピックの交通データがCOVID-19のため研究目的に沿わなくなったため,代替手段の検討と実行のために時間的な遅れが見込まれる.予算の繰越や研究期間の延長により研究目的自体は達成可能と考えている.
|
Research Products
(9 results)