2021 Fiscal Year Annual Research Report
Neuronal basis of olfactory antagonism in moths
Project/Area Number |
20H03293
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
並木 重宏 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (40567757)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経行動学 / 電気生理学 / アンタゴニズム / 嗅覚 / 種分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
フェロモン情報経路における神経活動抑制の作用点・作用機序を検討することにより,匂いのアンタゴニズムが脳のどこでどのように起こっているかを明らかにすることを目的としている。 行動学的アンタゴニストの情報処理を担う脳部位を標的とし、ガラス微小電極による実験を行った。アンタゴニストに興奮性の応答を示す細胞に対して、蛍光色素を注入し、三次元形態を同定した。これらの細胞群の出力部位である軸索終末の分布を分析し、アンタゴニストの情報経路の候補部位を探索した。感覚中枢である触角葉から計測した場合、フェロモンに応答性を示す細胞は、アンタゴニストによって抑制されることはない。脳の行動中枢である側副葉の細胞からの応答計測を行ったところ、アンタゴニストによるフェロモン応答の抑制が観察された。 これまでの研究によって、脳内のフェロモン情報処理経路は4つの直列的な回路で構成されていることが分かっているが、アンタゴニズムの作用部位は、触角葉と側副葉を接続する脳領域のいずれかであることが示唆された。 また実験と並行して、異なる個体から取得したデータを座標変換するための基準となる前大脳組織内の神経解剖学的なランドマークを検討し、6か所を新たに選択した。これにより今後データ分析の効率的な実施が可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試験的なデータの取得により、研究のアプローチの妥当性が確認された。 研究室移設に伴う実験室設備の準備のため、実験の時間が十分に確保できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のアプローチを継続し、アンタゴニズムによる匂い源探索行動が抑制される場所を探索する。
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