2020 Fiscal Year Research-status Report
伴奏ピアニストによる歌曲伴奏時の視線動向に関する基礎的研究
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20K00217
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Research Institution | Fuji Women's University |
Principal Investigator |
新海 節 藤女子大学, 人間生活学部, 准教授 (50469475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤塚 太郎 東京福祉大学, 保育児童学部, 講師 (40823513)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ピアノ伴奏 / ピアノ / 伴奏 / 歌曲伴奏 / 伴奏法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究計画は、①演奏時の視線計測データ収集を行うための楽曲選定、②被験者(伴奏ピアニスト)の選定、③予備調査及び本調査(演奏時の視線計測データ収集)であった。 ①では芸術歌曲から4曲 (「Das Veilchen」(Mozart)、「Gretchen am Spinnrade」(Schubert )、「花」(瀧廉太郎)、「からたちの花」(山田耕筰))、子どもの歌から2曲(「かたつむり」、「山の音楽家」)の計6曲を選曲した。選曲した芸術歌曲はいずれも著名な楽曲であり、専門的に伴奏を学ぶ者には必須の楽曲であると言える。また、「花」は本来2重唱の合唱曲として作曲されているが、中学校の科目「音楽」の歌唱共通教材の一つであり、教員養成における伴奏法への応用という観点からも検討し、選曲した。 子どもの歌2曲は、ともに保育現場や小学校低学年の音楽科の授業にて歌われることが多く、教員・保育者養成における伴奏法への応用という観点から選曲した。 ②は、小林道夫氏から研究協力への承諾を得ることが出来た。小林氏はチェンバロ、ピアノ、室内楽、指揮など活動が多方面にわたる第一人者として知られ、伴奏ピアニストとしても世界的歌手であるディスカウやヘフリガーらとの共演もあり、その演奏は認められている。小林氏の演奏データから得るものは大きく、伴奏ピアニスト養成、教員・保育者養成へのピアノ伴奏法の応用という観点からも有用なものになることが期待できる。また、比較のためのピアニストとして、東京都内の音楽大学大学院生2名および保育者養成校の学生1名への協力を打診している。 ③は申請時の経費と実際の交付額に差額があり、申請時に希望していた機器の購入が難しくなり、視線計測機器の選定に時間がかかったこと、昨今のコロナ禍により都市間の移動を自粛せざるをえなかったことなどにより実施出来ていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上記「研究実績の概要」の通り、伴奏ピアニストの演奏時の視線データの収集はコロナ禍による都市間移動自粛などの理由により実施できなかった。そのため、視線データの収集は次年度に行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、着手できなかった伴奏ピアニストによる演奏時の視線データ収集および分析を速やかに行い、研究を推進させる。専門的な伴奏ピアニストと研鑽中の伴奏ピアニストとの比較を行い、専門的な伴奏ピアニスト特有の視線動作傾向があるか否かを検討する。研究成果に関しては、学会発表及び演奏会などによる演奏実践を通して発表する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、分担研究者との対面での打ち合わせや予備調査、また実施予定であった伴奏ピアニストからの演奏時の視線動向データの収集を行うことができず、それらの経費を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。 使用計画は、先行研究に関する文献や楽譜の購入、さらに上記を遂行するための旅費、データ収集を行うスタジオ代、被験者への謝礼などである。
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